4.0
所蔵の金屛風だけで展覧会ができるのがスゴイ!
岡田美術館は常設展から見てしまうとヘトヘトになってしまうので、今回はまず金屏風の祭典に向かいました。
掲示されていた挨拶文の中に「岡田の金屏風ぜんぶ見せます」みたいなことが書いていたんですが、3階のフロアが金屛風に埋め尽くされていて、挨拶に偽りなし!目に金色のフィルターが掛かった感じです(笑)
金屛風という縛りがあるのに、バラエティーに富んだ作品が多くて、本当に楽しい展示でした。以下は気になった作品の寸評です。
春秋花鳥図:金の雲間から遠くの山と空が見えるスケールの大きい作品。
柳橋水車図:右側は春の柳、左側は夏の柳と描き分けつつ、夏の柳は風の音まで聞こえそうな作品。
紅白梅図:針金のような鋭い枝がメタリックな感じを出しつつ、丸い梅花がビックリするほどたくさん咲いていて、従来の花鳥画とは一味違った感じ。
四季花鳥図:作者の進藤尚郁を初めて知ったんですが、とにかく美しい作品。発色も綺麗だし、描かれているものが大きめのサイズなので細部まで描き込まれているのがはっきりと見て取れる。
葦に鳥図:絵の主題になりそうもない葦が大きく描かれつつ、背景の金色と流水の青の対比が美しい作品。
作品を見るまでは「所蔵の金屏風だからほぼ花鳥画かな」くらいに思っていましたが、全然そんなことはなかったですね。洛外だけを描いた図が絵として成立している面白さや、背景が全面金色のせいで山水画なのに詫び寂ゼロとか、とにかく他ではあまり見ない作品が多かったです。
キャプションやパネル説明も丁寧なので、知識のバージョンアップもできますよ!