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創作意欲が湧き出る日本文化の通底を見た!
『本歌取り』という言葉を初めて聞くので、辞書で調べてみたら、『和歌・連歌などで、古歌の語句・趣向などを取り入れて作歌すること』とありました。
芸術の世界で、優れた過去の作品からインスパイアされ、オマージュ作品を生み出すことは、全世界で昔から連綿と続いていて、特別な事ではないのですが、日本で昔から和歌でもされていた事を知り、新鮮さを覚えました。
オマージュ作品といえば、マネの『草上の昼食』(1863)を思い出します(昨年、日本の中のマネ展に参加)。作品の背景に描かれている森林はティツィアーノの『田園の合奏』(1509)に、手前3人の構図は、マルカントニオ・ライモンディの『パリスの審判』(1515)右下の3人を参照していることを知った時の感覚に似ています。
パロディ、モノマネの面白さも、根底にリスペクトがあるからだと思いますが、元ネタを知った上でオマージュ作品に出会うワクワク感が何処から来るのか、考えながら見た楽しい展覧会でした。
ただ、いつも思うのですが、気に入った作品のポストカードを買おうとミュージアムショップに行くのですが、大概売ってないですね。著作権の関係で仕方がないのかもしれませんが。
追伸、印象派を中心とした常設展も最高に楽しく、来て良かった美術館の1つになりました。