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雅なやまと絵の世界 住吉家の五代目当主住吉広行とは。
お庭の紅葉も気になり、またもや、会期末に駆け込み。
住吉家といえば土佐派から繋がるやまと絵の家系ですが
詳しくは、もちろん、私は全く知らない。
「住吉広行」を中心に取り上げる初めての展覧会だそうで
「やまと絵」ならば、雅なものが並んでいるのではないだろうかと伺ってきました。
特別展で、担当学芸員さんのこの展覧会へ向けての丁寧な研究、準備、が伝わる良い展覧会でした。
(大和文華館はいつも丁寧な展示なのですが)
香雪美蔵の住吉家の家系図から始まり、五代広行までの流れを作品とともに紹介し、第2章は広行の画業を分類して展示。
濃彩(「御用絵師」でもあり、使われている絵具が良いものに違いない)で、緻密に描かれた雅な世界。
「源氏物語」や「栄花物語舞楽図」は、愛おしくもあり、もう前のめりで見入ってしまいました。
幕府の御用絵師として、有職故実や古画の研究に余念がなかったことも伝わってきました。
徳川美術館蔵 国宝「源氏物語絵巻」を広行が模写しており、当時すでに剥落した部分もそのままに丁寧に模写されていました。
狩野派のトップ狩野典信の急逝で、紫宸殿の「賢聖障子」の制作に抜擢された広行、有職故実のアドバイスを受けながら真摯に制作に取り組み、多くの模写本が伝わる。
古画の模写を残して次の世代へ引き継いでいこうとし、また、寺社の宝物調査も行い記録に残っていることも興味深かったです。
後半展示の「舞楽図屏風」は、大好きな宗達の「舞楽部屏風」を思い出し、「四季絵屏風」背景が右から左へ季節が移り替わる様子にため息が出る。
展示件数37件、じっくり拝見して堪能しました。
ついでに、友の会2000円也にも入会しました。(安すぎる!)
見ごたえありでした。
「友の会」に入会すると友の会会報 季刊「美のたより」1年分が頂けます。
現在、大和文華館のHPには、2021年 春 (No.214)バックナンバーがPDFで公開されています。
https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/shuppan/binotayori/index.html
小冊子ながら、なかなか読みごたえがあって、楽しい。
NO.220 2022年秋号の掲載は残念ながらないのですが、本展と次回展観についても、作品解説や「研究ノート」が掲載されています。
巻頭は、毎号 浅野秀剛館長が「美術の窓」を寄稿されています。
当号で館長は「美術館の入館料、観覧料」について書いておられてお… Read More