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戦争や災害にまつわる実在の表象を切手シート状に
中国残留戦災孤児、戦死した兵士、原爆被爆者、戦争遺児など戦争や災害にまつわる実在の表象を切手シート状にした作品。例えばウォーホルのマルチプルとはまた別の意味をもつ。
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日常的な営為に視点を置き、岡山県津山市で独創的な制作活動をつづけている美術家・太田三郎(1950- )。山形県に生まれ、国立鶴岡工業高等専門学校を卒業後に上京し、やがてグラフィックデザインの仕事に携わります。また、仕事の傍ら肖像画や版画制作を始めます。身近な「版画的なもの」を探す中で、電車の切符やレシートといった素材を広義の版画と考え、1984年に切手を素材とした作品を発表しました。
本展では、コロナ禍の「マスク」をモチーフとした切手型作品や、先の戦争において失われた生命や記憶に思いを寄せた《POST WAR》シリーズなど、「人と災い」をテーマにした作品を紹介します。精緻で静謐な太田の作品は、一見多くを語りません。しかし、災厄における人間の存在へと迫ることで、その奥にある、これから生きてゆく全ての人々へのメッセージや問い掛け、太田の眼差しに触れることができるでしょう。本展は展覧会という形をとった、私たちへの宛名の無い手紙でもあるのです。
◆ 太田三郎
1950年山形県西田川郡温海町(現・鶴岡市)に生まれる。国立鶴岡工業高等専門学校機械工学科を卒業後上京。その後、銀座のグラフィックデザイン事務所に18年間勤務。1994年からは岡山県津山市に拠点を置き、制作活動をおこなう。個展やグループ展を多数開催し、その実績や美術振興活動により、2013年第4回創造する伝統賞を、2016年に第74回山陽新聞賞/文化功労、第17回福武文化賞を受賞。2021年には第73回岡山県文化賞を受賞した。パブリックコレクション:東京国立近代美術館・東京都現代美術館・岡山県立美術館・公益財団法人大原美術館・韓国国立現代美術館・国立ドレスデン版画素描館(ドイツ)ほか
会期 | 2022年7月5日(火)~2022年9月11日(日) |
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会場 |
BBプラザ美術館
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住所 | 兵庫県神戸市灘区岩屋中町4丁目2番7号 BBプラザ2F |
時間 | 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 7月18日(月・祝)開館・7月19日(火) 8月6日(土)午後1時以降はギャラリートーク開催のため休館 |
観覧料 | 一般 400円 (320円) 大学生以下 無料 65歳以上の方、障がいのある方とその付添いの方1名は半額
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TEL | 078-802-9286 |
URL | http://bbpmuseum.jp/ |
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中国残留戦災孤児、戦死した兵士、原爆被爆者、戦争遺児など戦争や災害にまつわる実在の表象を切手シート状にした作品。例えばウォーホルのマルチプルとはまた別の意味をもつ。
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