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今注目の写真・映像系現代アート作家5組6名の展覧会
1月2日、1月3日にも開館しており、しかも無料!お得でした。印象深かった順にレポートしました。
山元彩香(写真1/6と6/6)。2年ほど前から六本木のギャラリーで見かけ、公募団体展の白日会の写実絵画やアンドリューワイエスのような雰囲気で興味を持った作家。東欧やアフリカなど言葉が通じにくくマージナルな地域でモデルではない若い女性を撮影している。スライドプロジェクションと短い映像もよかった。
小森はるか+瀬尾夏美《山つなみ、雨間の語らい》(写真4/6。このビジュアルではわかりにくいが...)。地域アートプロジェクト系のコレクティブ作家で過去にもいくつか拝見しているがその中で一番良かった。2019年の台風19号で大きな洪水被害を受けた宮城県丸森町に入り込んで制作。地域の民話や言い伝えを取材する中で、戦後から現代に至る郷土史や、地球規模の気象変化が見えてくる。地元住民が災害に独特の名称をつける話し合いの映像は面白く全部見てしまった。つけた名前は「じゃく抜け台風」。大蛇の昔話にちなんだ。これだと人々の記憶にも残りやすく災害対策にも役立つ。仙台に5年赴任していた身としては宮城弁?が懐かしい。
吉田志穂『砂の下の鯨』シリーズ(写真2/6)。インターネット上の映像情報をもとに現地を撮影しいったん出力。それを再度撮影するなどデジタルとアナログを往還する操作によって、元々のネット上の映像イメージとの相違や接近を浮かび上がらせる。
潘逸舟は《トウモロコシ畑を編む》(写真3/6)。映像とドローイング。サウンドが印象的。池田宏はアイヌの人々の肖像写真(写真5/6)。