4.0
色彩の溢れる開かれた作品
モンドリアンに影響を受け、ヴァザルリに共鳴した経歴の作家、というとなんか納得できる。色彩理論を駆使すると言うより、可変性に意味を見いだしているのかな。
モノクロ作品も魅力的だが、やはりレインボーカラーの作品群は、開かれていて手放しで楽しい。外壁はもちろん、エレベーター内にも展示されていて面白い。〈遊びと企て〉に精力的な92才。
*写真・動画撮影可
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1928年、アルゼンチンに生まれたル・パルクは、1958年にフランスへの移住以降、同地を拠点に制作を続けるアーティストです。
ピート・モンドリアン(1872-1944)やロシア構成主義に大きな影響を受け、幾何学的な抽象画の制作を始めます。1960年代には、ヴィクトル・ヴァザルリ(1906-1997)の作品への共鳴や、視覚芸術探究グループ(GRAV)をオラシオ・ガルシア = ロッシ、フランソワ・モルレ、フランシスコ・ソブリノ、ジョエル・スタイン、イヴァラルとともに結成するなど、アーティスト同士の協働による活動も並行して推進します。
GRAVは、視覚的錯覚あるいは動力を用いたキネティック・アートや公共の場における観客参加を促す作品を通じて、従来の美術作品の枠組みや鑑賞方法を覆すような体験を社会に提案しました。当時の革命的な時代の熱気の中、ル・パルクも政治的な運動にも身を投じながら、芸術が限られた人々のみに享受されることや鑑賞者が受動的な立場にとどまることに疑問を投げかけ、視覚的遊びやゲームの要素を用いることで、誰もが平等に芸術に参加してほしいという願望を形にしてゆきました。
ル・パルクの日本での初個展となる本展は、70年を超える継続的な制作活動の中でも、常に鮮明な印象をもたらす「色」を主題としてとりあげます。アーティストは、黒と白、そのグラデーションを出発点に、1959年より自ら構想した14色のみを用いた作品を展開してゆきます。その作品群は、色彩論のように色を解析するのではなく、色を幾何学的なフォルム、あるいは可変性のメタファーとしてとらえるもので、シリーズごとに色の配列を設定し、回転や反復、分割などのヴァリエーションを探究することで生まれました。色の諧調や変容のメカニズムを見極めながらも自在に扱うことは、ル・パルクにとって色の可能性を要約する試みであり、光や動きをとりこむモビールなどと並行して継続する重要なシリーズとなりました。
本展では、アーティストの問題意識に迫るため、初期のモノクロ絵画や色彩探求のドローイングから始まり、代表作である《La Longue Marche(ロング・ウォーク)》や《Lames réfléchissantes(反射ブレード)》、またGRAVの時代から展開してきたモビールの新作までを紹介します。
また、展示はファサードやウィンドウ・ディスプレイ、エレベーターにもおよび、20周年を迎えるメゾンエルメスのビル全体を使いながら、ル・パルクが目指す鑑賞者との開かれた出会いに挑みます。色を通じて希求された彼の試みや企て、また遊びの要素を通じて、92歳となる現在も精力的に制作を続けるル・パルクとの出会いをお楽しみください。
会期 |
2021年8月13日(金)~2021年11月30日(火)
|
---|---|
会場 |
銀座メゾンエルメス フォーラム
![]() |
展示室 | 銀座メゾンエルメス フォーラム 8階・9階 |
住所 | 東京都中央区銀座5-4-1 8・9階 |
時間 |
11:00~20:00
(最終入場時間 19:30)
|
休館日 | 不定休(エルメス銀座店の営業時間に準ずる) |
観覧料 | 無料 |
TEL | 03-3569-3300 |
URL | https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/210813/ |
4.0
モンドリアンに影響を受け、ヴァザルリに共鳴した経歴の作家、というとなんか納得できる。色彩理論を駆使すると言うより、可変性に意味を見いだしているのかな。
モノクロ作品も魅力的だが、やはりレインボーカラーの作品群は、開かれていて手放しで楽しい。外壁はもちろん、エレベーター内にも展示されていて面白い。〈遊びと企て〉に精力的な92才。
*写真・動画撮影可
3.0
光の当たり具合により、キラキラと反射して見え方が変わる感じが良かったです。4メートルくらいの大物の作品を上から見たり、横から見たり、下から見たりすると、同じ作品でも見え方が変わり面白いと思いました。
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