5.0
本には1冊1冊個性がある!?
展示されている本の題材や内容よりも、紙や文字として注目した際の特徴(紙の種類、奥書、装丁、蔵書印などなど)から、その本自体の辿ってきた道や、本にまつわる歴史を読み解いていて興味深かったです。
「紙の謎・装飾の謎・乱丁の謎」など、その本の注目すべき箇所が矢印で示されていて、それらの手掛かりから推理できる事柄が謎解きとして書かれていたのでとても分かりやすかったです。
平家物語の挿絵に描かれた落書きを見て、「落書きした人はどんな気持ちでこれを描いたのだろう」などと想像するのも楽しかったので、これからは本に限らず展示を見る時には今まで以上にいろんな視点から見たり想像したりしてみたいと思いました。
併設の常設展示室には「令和」の書と「平成」の書の原本や、日本国憲法や終戦の詔書の御署名原本などの重要文書が気取らずサラッと展示されていますが、実はかなり貴重な資料の数々なのではと思うと展示を前に少し緊張しました。
これら企画展と常設展が共に入館料無料で、基本写真撮影可、企画展のフルカラー冊子まで頂けて驚くばかりです。ありがとうございます。(感謝を込めて、グッズ売り場で「平成&令和クリアファイル」を購入しました(笑))
国立公文書館目当ての来館はもちろんですが、東京国立近代美術館のお隣なので近代美術館来館の方も是非立ち寄ってみてほしいなと思いました。