村上三郎の代名詞と言われる〈紙破り〉って・・・
会期末に滑り込み。
芦屋、という土地柄「具体」に興味ある方は今も多いらしく、講演会は満員御礼状態だったと参加した方にお聞きしました。
公立の美術館は、その地域にかかわりのある作家の作品を収集することが収集目的の1つとなって…readmore
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具体美術協会(「具体」)の中心メンバーとして知られる村上三郎(1925-1996)は、1955年の第1回具体美術展で、ハトロン紙を体当たりで突き破る作品、通称〈紙破り〉を発表。以降、この〈紙破り〉は村上の代名詞ともいえる作品となりました。
50年代から60年代にかけては、パフォーマンス的要素をもつ作品とあわせ、強烈なストロークで描かれた大型のタブローなどを発表し、平面作品での表現を追求していきます。「具体」解散後は、村上独自のパフォーマンス的要素を持つ作品を発表しました。
村上が紹介される時、「具体」の会員としての一面で語られることが多い中、1996年に芦屋市立美術博物館で開催した村上三郎展では、「具体」という枠組みを解体し、一作家、一人の人間としての「村上三郎」の世界に迫りました。本年は、この歴史を画する村上三郎展から、そして村上三郎の旅立ちから25年を迎えました。この記録すべき年に、再び村上三郎展を開催します。
村上は、1949年より伊藤継郎に師事し新制作協会で発表を続けます。同会展で人物画や風景画を出品するなか、次第に抽象表現へと移行していきました。それは、同会の若手作家たちが集った「ジャン会」や新鋭な美術を目指した若手作家グループ「0会」での活動によるところが大きく、「具体」入会前夜の活動を知ることは、村上の「絵画」に対する思考を再確認することになると考えます。また、50年頃から終生携わることになった児童を対象とした美術教育の活動を振り返ることは、常に自由で新鮮な創造行為を続けてきた村上の発想の源泉に触れることにもなるでしょう。
本展では、「具体」の代表作や70年代の個展とともに、これまで紹介されることが少なかった新制作協会時代の作品を展観します。あわせて、〈紙破り〉の資料展示とともに、未発表であった作品制作のためのメモや関係資料、記録写真や映像資料などを加え、約50年にわたる活動を多角的に紹介します。
本展は、村上三郎を形作る別の根幹に触れながら、新たな村上三郎像を立ち上がらせる試みです。
会期 | 2021年12月4日(土)~2022年2月6日(日) |
---|---|
会場 | 芦屋市立美術博物館 Google Map |
住所 | 兵庫県芦屋市伊勢町12-25 |
時間 | 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 |
月曜日 1月11日 年末年始 12月28日~1月4日 ※ただし1月10日は開館 |
観覧料 | 一般 800円(640円) 大高生 500円(400円) 中学生以下 無料 同時開催「昔のくらし」展の観覧料含む
|
TEL | 0797385432 |
URL | https://ashiya-museum.jp/ |
(1)講演会「〈紙破り〉の過去・現在・未来」
講 師:平井章一(関西大学文学部 教授)
日 時:2021年12月12日(日)14:00-15:30
会 場:芦屋市立美術博物館 講義室
定 員:60名(予定)
申込不要、直接会場へお出かけ下さい。
(2)講演会「存在に理由はない― 村上三郎の芸術について」
講 師:山本淳夫(横尾忠則現代美術館 館長補佐兼学芸課長)
日 時:2022年1月10日(月・祝)14:00-15:30
会 場:芦屋市立美術博物館 講義室
定 員:60名(予定)
申込不要、直接会場へお出かけ下さい。
(3)スライドトーク「村上三郎の絵画から見えてきたこと―修復家の視点」
講 師:横田雅人(修復家)
日 時:2022年1月23日(日) 14:00-15:30
会 場:芦屋市立美術博物館 講義室
定 員:60名(予定)
申込不要、直接会場へお出かけ下さい。
(4)学芸員によるワークショップ「絵具をつかって考えよう―村上三郎の絵画」
日 時:2021年12月19日(日)13:30−15:00
会 場:芦屋市立美術博物館 体験学習室
対 象:小学生以上 20名
要事前申込。12月10日(金)締切。
申込方法:氏名・住所・電話番号を電話 0797-38-5432 か メール ashiya-bihaku@shopro.co.jp にて直接美術館までご連絡ください。応募者多数の場合は抽選。
(5)学芸員によるギャラリートーク
日 時:2021年12月18日(土)、
2022年1月15日(土)、29日(土)
いずれも14:00~ 1時間程度
申込不要、直接会場へお出かけ下さい。
※いずれも参加費は無料(要観覧券)
※新型コロナウイルス感染症の状況により、イベント内容の変更または中止となる場合があります。詳細は事前に芦屋市立美術博物館公式サイトをご確認ください。
会期末に滑り込み。
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