5.0
ポップアートの魔術師に衝撃を受けました。
コロナ感染者数は高止まりのままですが、東京都の3回目の緊急事態宣言が解除され、個人的には2回目のワクチン摂取が終わったので、かねてより行きたかった千葉市美術館に出かけました。
千葉市美術館は中央区役所との複合施設だったのですが、区役所の移転により、2020年7月に建物すべてを美術館として拡張リニューアルオープンしました。どのように変わったのか興味津々でしたが、外観は全く変わっていません。7階と8階の展示室もほとんど昔のままです。ただし、5階に常設展示室が設けられたほか、1階にカフェ、ショップ、多目的ホールができていました。多目的ホールでは企画展関連の映像が流されていました。
このように、美術館自体は期待していたほどの変化はなかったのですが、開催されていた「大・タイガー立石展」は驚きと衝撃の展覧会でした。最近こんな面白い展覧会は観たことがありません。今まで、タイガー立石(本名、立石紘一)というアーチストを全く知りませんでしたが、ポップアートの魔術師と呼ばれるそうで、絵画、イラスト、絵本、漫画、彫刻等、多分野の独創的な作品が展示されています。特に面白かったのは、大画面の三部作、「明治青雲高雲」、「大正五萬浪漫」、「昭和素敵大敵」です。横尾忠則風のコラージュ作品で、有名人の肖像や有名絵画のパロディがあちらこちらに配置されています。長時間見入っても飽きない作品です。ピカソのゲルニカのパロディ作品もあります。他の作品もどれも面白く、とても楽しめる展覧会なのですが、何でこんなに入場者が少ないのでしょうか。やはりタイガー立石の知名度が低いのでしょうか?でも、三密にならずゆっくりと鑑賞できたのがうれしいです。