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加藤翼さんの回顧展!
週末等、ある程度、お客さんが多いときは引き倒しの疑似体験が出来るようです。巨大な箱が鎮座しており、引き倒しイベントの参加、見学をしたことがない人でも、ちょっと、その雰囲気を感じられるかもしれません。オペラシティの通路のような展示スペースも上手く設営されています。
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加藤翼(1984生)は、複数の参加者による協働作業が生み出す行為を映像、写真などの作品として発表しつづけています。数多くのリサーチやプロジェクトをグローバルに展開し、高い評価と注目を集めている現代作家の一人です。
そこに集まった人々が知恵を出し合い、ロープと人力だけで巨大な構造体を引き倒したり、引き起こす〈Pull and Raise〉シリーズは、加藤翼の代表作の一つです。3.11を逆にした11.3(文化の日)に行われた《The Lighthouses - 11.3 PROJECT》は、東日本大震災後の福島に集まった約500人の人々が、津波で壊された家々の瓦礫によって、灯台のイメージに組みあげられた構造体をロープで引き起こすもので、このプロジェクトの構想が契機になり、震災からの復興を目指す地区の祭事の開催へと発展しました。
加藤翼の作品は、自然災害、都市開発、環境破壊などで地域のコミュニティが解体の危機に瀕するなか、人々が自発的に参画し、一体となって何かを実践することの意義を提示します。新型コロナウイルス感染症のパンデミックという状況下において、また、国家や国民の二極化が世界的に危惧されるなか、加藤の作品は、分断や対立を超えた協働作業や連帯による可能性をあらためて気づかせてくれるでしょう。
また、作家にとって美術館での初個展となる本展は、新型コロナウイルスのパンデミックによって延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催期間とも重なります。ワクチン接種や供給の問題など、コロナが露呈したさまざまな格差や分断のさなか、本来は国民の連帯や一体感を醸成するはずのオリンピックについても、その開催をめぐって賛否が分かれています。異なる意見や立場をどのように捉え、私たちは前に進むべきなのか。本展が、こうした問題解決のためのささやかなヒントになることを願っています。
◆ 加藤翼
1984年生まれ。2007年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業、2010年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了。無人島プロダクションでの個展(2011~)のほか、「Scratching the Surface」ハンブルガー・バーンホフ現代美術館(ベルリン、2021)、「They Do Not Understand Each Other」大館當代美術館(香港、2020)、「BECOMING A COLLECTIVE BODY」イタリア国立21世紀美術館(ローマ、2020)、「あいちトリエンナーレ2019 情の時代」愛知芸術文化センター(名古屋、2019)、「Uprising」ジュ・ド・ポーム国立美術館(パリ、2016)など、グループ展多数。
また、東京国立近代美術館、国立国際美術館、愛知県美術館、豊田市美術館、森美術館、ウルサン美術館などに作品が収蔵されている。
会期 |
2021年7月17日(土)~2021年9月20日(月・祝)
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会場 |
東京オペラシティ アートギャラリー
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住所 | 東京都新宿区西新宿3-20-2 |
時間 |
11:00~19:00
(最終入場時間 18:30)
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休館日 |
月曜日 8月1日(日・全館休館日) ※月曜日が祝日の場合は翌火曜日 |
観覧料 | 一般 1,200円(1,000円) 大・高生 800円(600円) 中学生以下 無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.operacity.jp/ag/ |
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週末等、ある程度、お客さんが多いときは引き倒しの疑似体験が出来るようです。巨大な箱が鎮座しており、引き倒しイベントの参加、見学をしたことがない人でも、ちょっと、その雰囲気を感じられるかもしれません。オペラシティの通路のような展示スペースも上手く設営されています。
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加藤翼
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