3.0
国内の美術館から集めた巡回展になります。
タイトルのとおり国内の美術館から集めているため、普段なかなか行くことのできない美術館が所蔵している絵を見ることができることは非常に良い機会だと思います。
また、クールベの絵を集めた企画展も滅多にないので、この画家の特徴をつかむにはもってこいの企画展です。
いくつかの章立てで構成されており、後半にクールベの波がいくつか展示してあります(波以外にもクールベの作品はいくつかありますので、浸ってください。)。
クールベの絵はパンフレットを見てもわかるとおり、ぼんやりとしたタッチではなく、一見荒々しいタッチではあるものの、細部においては繊細なタッチが際立っているので、よく見てみるとただ荒く描いているわけではないということがわかります。
一方、残念な点をあげるとするなら、まず海に関する作品が以外に少ないです。ブータンなど海や海岸を描く画家は何人もいますが、1点2点あるぐらいで、後は森や山、動物などの画がたくさんあります。
もう少し海に関連した絵で構成されているとよかったです。
また、ミュージアムショップにポストカードが販売されていますが、この企画展のために印刷されたものではなく、各美術館から取り寄せたものが販売されています。
よって、ポストカードに描かれている絵の裏面には、その絵を所蔵している美術館の名前と作品名が記載されています。「クールベと海」といった企画展の名称は記載されていません。ただし、こちらについては予算等の関係もあるので、致し方ない部分かなとも思いました。
あまりまとめて見ることのできない画家の絵ですので、見る機会があるなら足を運んでみるといいでしょう。
クールべの絵が印象派にどのような影響を与えたのかなど知っていただけるのではないでしょうか。