5.0
バウハウス教育を追体験
バウハウスにそれほど興味があったわけではなかったので軽い気持ちで観覧に行ったら、なんとも興味深い展覧会で、すっかり没入してしまった。何がおもしろかったかっというと、バウハウスの幾何学的なデザインの美をただ楽しむだけではなく、それらのデザインがどのようにして育まれたのかという背景を詳細に提示してくれていた点である。
感性をもっとも合理的な形で満足させるためにどのような思考・発想、そして造形が必要なのかを考究することが「造型教育の基礎」にはあったように思う。教授陣の授業内容や課題を紹介しながら、具体的な作品を見ることができるのは貴重な体験だった。思考レッスンのような内容に、見ているだけでこちらも刺激される。もっとも、デザインは「単なる」クリエイティブではないことも理解できるため、私だったら落第していたに違いない…。