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不条理で不思議な世界
豊かな色彩に植物や小さな生きものたち。スピリチュアルとも感じる作品が並ぶが、よく眺めると不条理な世界が広がり、皮肉や毒も散りばめられている。しかし無垢さがある。不思議な世界。2名で出かけてペア割引で鑑賞した。
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80年代初め、オフビートな映像と音楽で注目を集めた「ストレンジャー・ザン・パラダイス」(1984年、監督:ジム・ジャームッシュ)という映画をご存知だろうか。
今回、ワタリウム美術館で展示するアーティスト、ジョン・ルーリー(1952年生まれ、U.S.A.)はこの映画の主役を演じた俳優である。NYの安アパートに住みギャンブルで生活を立てている冴えないがちょっとかっこいいウィリーという若者役で登場する。
全編モノクロのこの映画はI LOVE NEW YORKキャンペーンで沸くNYの若者たちの日常の素顔を淡々と描いていた。ジョン・ルーリーはミュージシャンとしてこの映画の音楽も担当し、違和感のあるジャズが映像を一層印象深いものにしていた。
役者として、さらには自身がフェイク・ジャズバンドと評したラウンジ・リザーズのメンバーとしても注目されることとなった。
しかし1990年代後半、ジョン・ルーリーは「ライム病」という難病を患い、映画と音楽の世界から姿を消し、一人で、自由な時間にできる絵画制作に活動の場を移す。
かつて、ジャン=ミシェル・バスキアなどと一緒に描いていたというだけあって、その構図や技法は卓越している。ジョン・ルーリーの描く世界は一見美しい夢の中のように見えるが、一方で痛烈な皮肉が込められ、登場する動物たちも小さく弱々しいが、実はマイペースで自由な喜びをもっている。
近年、ジョン・ルーリーは生活の大半をカリブ海の島に暮らし、一層、植物や動物などの自然が多く登場してきている。
ワタリウム美術館での展覧会は2010年以来、今回が二度目の開催となる。近頃はアメリカもそして日本もさらに不条理なことが多くなり、そんないま、この展覧会でジョン・ルーリーの描く自由とアナーキーな世界に触れてほしいと願っている。
| 会期 |
2019年4月5日(金)~2019年7月7日(日)
|
|---|---|
| 会場 |
ワタリウム美術館
|
| 住所 | 東京都渋谷区神宮前3-7-6 |
| 時間 |
11:00~19:00
(最終入場時間 19:00)
|
| 休館日 |
月曜日 ※4月29日、5月6日は開館 |
| 観覧料 | 大人 1,000円 学生 800円(25歳以下) 小・中学生 500円 70歳以上の方 700円 ペア券 大人2人 1600円 学生2人 1200円 |
| TEL | 03-3402-3001 |
| URL | http://www.watarium.co.jp/ |
3.0
豊かな色彩に植物や小さな生きものたち。スピリチュアルとも感じる作品が並ぶが、よく眺めると不条理な世界が広がり、皮肉や毒も散りばめられている。しかし無垢さがある。不思議な世界。2名で出かけてペア割引で鑑賞した。
5.0
色が美しい作品ばかりで、見た目にも楽しいです。
3フロア分、たっぷりたのしめて、映像作品も流れているのでこちらもゆっくり楽しめます。単回券とリピート券もあるのですが、これはリピ券をお勧めします!!
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