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浴衣を着てタイムトリップ
もう2か月以上前の事ですが、友人を誘い藍染めの浴衣で鑑賞に。ひと時のタイムトリップを体験してきました。
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空や海の美しさをイメージさせる「青」という色彩は、江戸時代の人々を魅了し、その暮らしを涼やかに彩りました。とりわけ、現在「ジャパンブルー」と称され親しまれる藍は、江戸時代に木綿の普及と染色技術の向上によって藍染が庶民に広がったことから、浴衣や手ぬぐい、暖簾にさかんに使われていきます。
さらに青色の文様をあらわした染付(そめつけ)の食器や植木鉢も広まり、青は日常生活のさまざまなシーンで用いられる色となったのです。浮世絵にも、暮らしのなかに青を取り入れた江戸市民の姿が驚くほど多く描かれています。
また本展は、陶磁器専門の美術館として知られる戸栗美術館と「青のある暮らし」を共同展覧会名とした連携展示です。浮世絵と陶磁器、それぞれの視点から、美しい青に満たされた江戸のライフスタイルに触れてみてください。
◆ 青をまとう ―浴衣から刺青まで―
現在のサッカー日本代表のユニホームは、伝統的な藍に由来する深い青で「サムライブルー」と呼ばれ親しまれています。浮世絵にも様々な身分や立場の人々が日常の衣服に青を用いた様子をとらえますが、とりわけ目を引くのは青と白のコントラストが美しい浴衣。女性たちは愛らしい草花文を散らしたものだけでなく、カニやタコなどのモチーフを大胆に配した浴衣も着ており、バラエティ豊かなデザインには目を見張るものがあります。さらには、江戸後期に大流行した刺青姿の男性を描く作品もご紹介いたします。当時人気を集めた独特の男性美にも触れてみてください。
◆ 暮らしを彩る青
現代につながる食文化や服飾文化、園芸文化が花開いた江戸時代後期、市民の生活のなかにはさまざまな器や雑貨が溢れ、それらの多くにも青が用いられていました。例えば染付の皿や徳利、茶碗に植木鉢、そして藍染による手ぬぐいや前掛け、懐紙入れなど。ひとつひとつは小さなものであっても、青はさまざまに日常生活を彩り、広く人々に愛された色であったと言えるでしょう。
◆ 世界を魅了したジャパンブルー
江戸時代に育まれた青の文化は、明治時代に日本を訪れた欧米の人々には日本独特のものと感じられたようです。そもそも日本人の生活に根付いた藍を「ジャパンブルー」と命名したのは、明治7年に来日したイギリス人化学者ロバート・W・アトキンソンとされます。またギリシャ出身の小説家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も、明治23年に来日した際に目にした、家々の屋根や衣服、暖簾に青が多用された日本の情景の魅力を書き記しました。
◆ 浮世絵ブルー革命
葛飾北斎や歌川広重の空や海の青が美しい風景画が、国内外を問わず多くの人々を魅了しています。その日本の誇る北斎や広重の浮世絵風景画の誕生の背景には、実はベルリンブルー(プルシアンブルー、ベロとも)という新しい青色絵具の登場という出来事がありました。移り変わる空模様や水面を繊細に表現することを可能にしたベルリンブルー。その登場以前と以後の風景画を展示し、浮世絵史で起こった青をめぐる表現の変化についてご紹介いたします。
会期 |
2019年7月2日(火)~2019年7月28日(日)
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会場 |
太田記念美術館
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住所 | 東京都渋谷区神宮前1-10-10 |
時間 | 10:30~17:30 (最終入場時間 17:00) |
休館日 |
月曜日 7月1日、8日、16日、22日 ※ただし、7月15日(月)は開館 |
観覧料 | 一般 700円 大高生 500円 中学生以下 無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/lifewithblue |
◆ 学芸員によるスライドトーク
展覧会の見どころを担当学芸員が解説します。
日時:(各回約40分)
2019年7月5日(金)14:00
2019年7月10日(水)14:00
2019年7月15日(月・祝)11:00
会場:太田記念美術館 視聴覚室(B1)
参加方法:申込不要 参加無料(要入場券)
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もう2か月以上前の事ですが、友人を誘い藍染めの浴衣で鑑賞に。ひと時のタイムトリップを体験してきました。
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単に青といっても色味も色合いも、私用している顔料も違うのでそれぞれに味わい深いのですが、さらに描かれているモチーフが普段は注目しないような、背景のものであったり、家具や調度品であったりと、今まで見ていなかった新たな視点を教えてもらう感じでとても楽しいです。
(以前やっていたタバコと塩の博物館の盆栽の展覧会とちょっとリンクしているところもあります!!「)
こちらで描かれている陶磁器をおぼえて、コラボ先の戸栗さんで実物を見る!!という、二度おいしい企画が楽しいです!!
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蛍狩、夕涼み、湯上り、縁日、初鰹等季節感溢れる題材と素晴らしく状態の良い作品ばかりです。描かれている着物、器、雑貨の青が美しい。高度な彫り、擦り❗️肉筆の作品も五点展示されております。特に芳年の風俗三十二相、国貞の優品多数展示されておりますのでファンは是非。珍しいところでは伊東深水の美人新版画二点展示されております。
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