3.0
展示作品数の少なさと図録がないのが残念
鈴木松年と言えば、一時期、上村松園の師であったことぐらいしか知らず、たまにどこかの展覧会で1~2点作品が展示してあるのを見かける程度で、作風が掴めるまでにはいたっていませんでした。
ただ、その数点を見ただけで、上村松園が習いたかったのとはおそらく異なる画風だということは、十分に察しがついていました。
今回、その鈴木松年の展覧会があると聞いて、楽しみにしていました。
小ぶりの美術館なので、展示作品数が少ないのが残念でしたが、最低限のことは掴めたと思います。
太めの輪郭線で描く人物画に特徴があると思いますが、実際の人物と仏教の神とでは微妙に個性が描き分けてあるあたりはさすがだったと思います。
前期と後期で完全に展示作品が入れ替わるようなので、できれば両期とも見るべきかもしれません。(でも、前期を見た人に後期の割引はない。)
せっかくの特別展なのに、図録が用意されていなかったのもがっかりしました。
展示作品数に対して入館料が割高な感じがするのは否めませんが、なかなか作品をまとめて見ることができない画家の展覧会という点で貴重だと思います。