5.0
暗い館内に光る作品
竹工芸の2家系による、作品バトルと、照明による陰影が展示効果を引き出していた。さらに入口の螺旋階段の竹のインスタレーションも感動的でした。
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竹工芸の作品は、しなやかで強靭な竹の特性を生かし、編組技術によって形づくられます。竹を割り、削って加工した多様な「線」は豊かな表情や質感を示し、作品に応じて選ばれ、巧みに用いられます。そして「線」の連なりは、構造と同時に装飾ともなり、空間を包み透かして立ち上がる竹の造形を創出するのです。
竹工が職人的な技芸を超えて、個人の表現として追求されるようになるのは大正、昭和期のことです。
本展では、その時期に東京を拠点に活躍した飯塚琅玕齋(いいづかろうかんさい 1890‐1958)と大阪・堺を拠点に活躍した初代田辺竹雲斎(たなべちくうんさい 1877‐1937)を中心に、琅玕齋の兄・二代飯塚鳳齋(いいづかほうさい 1872‐1934)、琅玕齋の息子・飯塚小玕齋(いいづかしょうかんさい 1919‐2004)、そして二代竹雲斎(1910‐2000)、三代竹雲斎(1941‐2014)、四代竹雲斎(1973-)の作品を展示します。
初代田辺竹雲斎は、江戸時代末期から明治に流行する煎茶道の精神を基礎に、その中心地である大阪の堺で活動し、高度な技術で精緻に編んだ唐物風の制作で名を馳せました。そして同時に唐物を脱した独自の制作を追求し、竹工芸の表現を前進させます。
一方、初代竹雲斎の次の世代になる飯塚琅玕齋は、兄・二代鳳齋のもとで家業として竹の仕事に従事するも二十半ばで独立し、若い頃から芸術としての竹工芸を求めました。創意に満ちたその制作は竹の造形表現に大きな足跡を残し、二代竹雲斎、小玕齋をはじめ次の世代の制作に影響を与えます。そして三代、四代竹雲斎へと現代の制作に繋がっていくのです。
二つの家系の作家7人の作品120点余によって、大正、昭和、そして現在までの竹工芸作品を見渡し、各作家が既存の技法や前の世代の制作を革新させてきた「線」による立体造形の魅力を紹介します。
会期 |
2018年4月14日(土)~2018年7月16日(月・祝)
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会場 | 菊池寛実記念 智美術館 Google Map |
住所 | 東京都港区虎ノ門4-1-35 |
時間 | 11:00~18:00 (最終入場時間 17:30) |
休館日 |
月曜日 ※ただし4/30、7/16は開館 5/1(火)は休館 6/5(火)は展示替えのため休館 |
観覧料 | 一般 1,000円 大学生 800円 小・中・高生 500円
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TEL | 03-5733-5131(代表) |
URL | https://www.musee-tomo.or.jp/ |
5.0
竹工芸の2家系による、作品バトルと、照明による陰影が展示効果を引き出していた。さらに入口の螺旋階段の竹のインスタレーションも感動的でした。
4.0
精緻な編みもあれば、荒々しい編みもあり。取っ手が節を活かした竹の作品が面白い。下から覗き込むと、内部の節も見える。今までの竹細工のイメージを大きく変えました。芸術品です。
5.0
チケットありがとうございました。絵画を観に行くことが多く、工芸品の展覧会、それも竹工芸のみの展覧会は初めてでした。地下の展示室に降りていくための階段のところから、四代田辺竹雲斎の「Conection-過去 現在そして未来へ」というオブジェに圧倒されました。展示室も薄暗いながらとてもおしゃれな空間で、入り口こそガラス越しの作品でしたが、室内は直に作品を見ることができ、また360度あらゆる角度から拝見できて、感動しました。
竹とは思えない繊細な作品や、何通りもの編み方で一つの作品に仕上げてあるもの、またとても大胆な作品など、竹のもつ様々な魅力を堪能しました。
場所柄か、外国の方が多数見学しておられました。
機会があったら、西洋館の中も見学させていただきたいと思いました。
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