5.0
最晩年に取り組まれた金閣寺の障壁画がとても素晴らしかった
「滝」の連作では、四季の移ろいと共に様々に変化する光と色彩が描き留められていて、滝の水が一筋に流れ落ちる様は人生そのものを感じさせ心に残った。
画業の集大成として最晩年に取り組んだ金閣寺の障壁画は、悠久の時や生命の輝きにあふれ、温かい春の日差しや春風が吹いているように感じられ、目に見えないものも表現されていて、具象と抽象の両方で描かれた障壁画を目の前にして、あまりの素晴らしさに圧倒され熱い思いがこみ上げた。自然と共存する日本人の心や精神が感じられ、後世に伝えたい思いや願いをも内包し魂のこもった障壁画にとても感動した。