3.0
難解な展覧会
昨年の「クインテットⅢ」に続き、「クインテットⅣ五つ星の作家たち」を観るために損保ジャパン日本興亜美術館を訪れました。
本展は、「将来有望な中堅作家たちを紹介するシリーズ」の4回目で、青木恵美子、竹中美幸、田中みぎわ、船井美佐、室井公美子の5人の画家の作品約80点が展示されています。
「クインテットⅢ」はテーマが「自然」で、花を描いた絵が多かったため、感覚的に理解できたのですが、今回のテーマは「具象と抽象の狭間」で、全般的に難解な絵が並んでいました。このなかで、印象に残ったのは、田中みぎわのモノトーンな作品群です。特に、「神様の手のひら」という作品は長谷川等伯の「松林図屏風」を連想させる「たらしこみ」風の技法が特徴的でした。このほか、船井美沙のメルヘンチックな先品群、特に未就学児童なら乗って遊べる木馬が面白かったです。
申し訳ありませんが、残りの三人の作品は、前衛的すぎて私には理解不能なため、ざっと観て退散しました。抽象画が好きで時間に余裕のある方向きの展覧会という印象です。