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画壇の悪魔派、今も新鮮
今年開催された、うらわ美術館の「日本のポスター芸術:明治・大正・昭和の彩り」でポスターやチラシに採られていた絵が強烈な印象を残しました。作者は北野恒富。
その北野恒富の展覧会が大阪のあべのハルカス美術館から千葉へと巡回してきました。大阪の宣伝チラシはあっさりめのデザインでしたが、千葉市美術館のほうはいえば、「画壇の悪魔派」と呼ばれた日本画家というコピーも目をひいて鮮烈です。展覧会は大きく二つに区分され、後半のポスター芸術がみものでした。北野恒富の美人画が高い印刷技術で大判のポスターになって、レトロでありながあら今見ても新鮮です。おそらくは、日本画の下地に、北野恒富の活躍した時代のアールヌーボーの影響があってのことでしょう、日本画でありながら、いい意味でのバタくささが漂います。
日本画家として名をなしている北野恒富ですが、その作品を一堂に見るよい機会でした。千葉市美術館は、このあと「岡本神草の時代展」も京都から巡回してくる予定で、これも実にいい企画で楽しみです。