3.0
オートクチュールの栄枯盛衰を一気に辿る
いつもなら名画が壁に架かっている館内に、贅沢な生地を惜しげもなく使い高度な職人技で仕上げられたワン&オンリーのドレス類が占め、見慣れた空間もがらりと一変。その光景は「壮観」のひとことに尽きます。
なかでも19世紀末から1950年代くらいまでのドレスはゴージャスそのもの。映画黄金時代の銀幕を飾った総天然色の大スターたちを夢想せずにはいられませんでした。
また要所要所では、制作年代を超えて類似した新旧ドレスが並置して展示されており、遠い過去の伝統が脈々と現代に息づきインスピレーションを与え続けていることが一目で見てとれ、とてもよかったです!
余談ですが、本展鑑賞後、その数日前に見た「MIYAKE ISSEY展」のことを顧みて、オートクチュールとプレタポルテの違いはあれど、改めて、三宅氏の際立った才能と個性を実感したことを申し添えておきます。