3.0
ゴヤ、凄すぎます。きっと心の強い人、だったのでしょう。
フランシスコ・デ・ゴヤは、18世紀後半から19世紀初頭にかけての激動の時代に生き活躍した、スペインを代表する 画家で、《裸のマハ》《着衣のマハ》や《カルロス4世の家族》《我が子を食らうサトゥルヌス》《マドリード、1808年5月3日》などで知られます。人物の内面の真実をも見透かす眼で見たものを、隠さず描き出すほどに、画力は抜群。よく宮廷画家をクビにならなかったものと、思ってしまいます。そういえば晩年別荘に残した『黒い絵』たちも有名ですね。ゴヤがどういった画家であったのか、思い知らされました。今展では、彼が、後半生に聴覚を失い無音の世界で到達し生み出された銅版画たちで、『気まぐれ』『戦争の惨禍』『闘牛技』『妄』の連作版画シリーズ全215点が紹介されています。そのモノクローム―光と闇、で表されるのは、彼の社会に対する鋭い風刺や批判や、戦争の残虐さ理不尽さ、更に人間精神の内面、暗部が、深い洞察に基づく表現力で、鮮烈に描き出されているのです。中には生前に発表されることになかったシリーズも。宮廷画家という地位を捨てることはしないまでも、これらの作品を描き続けた彼自身の内面の闇も、作中に時々登場して来る彼自身では?とされる人物に、描き出されているようにも思います。音のない世界で生み出されたモノクロームの風刺は、上手いだけにより強烈です。ゴヤ、凄すぎます。きっと心の強い人、だったのでしょうね。今この現代にいたら、彼は何を描いていたのだろう‥
会期終了の前日午前、空いていました。おぞましい! 観るに堪えない! そんな作品ばかりを200点以上も‥。さっと見るだけでもとても体力が要ります。今回は企画展から先に観ました。お茶休憩をしてから、少し切り替えて常設展を観ました。美しい絵画で気分も持ち直せました。同時開催の駐日ガーナ共和国大使館からの「大使館の美術展 IV ―文化交流随想―」も、民俗工芸の木彫像や衣装や絵画など、興味深く、あまり観られる機会はないものなので良かったです。最後にロビーでお雛様を見て癒されました。ミュージアムショップは改装休業中だそうです。歴代手展覧会のポスターの張られた壁面も工事中?のような状態でした。










