5.0
熊谷守一の入門展覧会
熊谷守一の絵と書の作品数は、それほど多くない。
しかし、本展は展示構成が巧みで、熊谷守一の生涯と芸術の歩みがよく理解できる内容となっている。
現在では、絵と同様、あるいはそれ以上に評価が高いとされる熊谷の書は、1938年に弘法大師空海の書である「一行阿闍梨耶」を見たことを契機に始まったとされる。
そのため、彼の書や表現には仏教的な影響が強く見られる。
また、有名な「モリカズ様式」と呼ばれる赤褐色の線は、単純でありながら、不思議な幾何学的秩序を感じさせる独特の表現である。
熊谷守一は「絵というものについての私の考えは、ものの見方です。どう思えるかということです」と語っている。
この言葉が示すように、彼は徹底して自分自身の感覚を信じ、その感覚に忠実に描き続けた画家だった。





