この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
葛飾北斎(1760~1849)と歌川広重(1797〜1858)はそれぞれ〈冨嶽三十六景〉、〈東海道五拾三次〉といった名シリーズを手がけ、浮世絵における風景画の可能性を大きく広げました。北斎は、大胆かつ独創的な構図によって自然の迫力と、その中に生きる人間をユーモラスに描いています。一方、広重は、穏やかな色彩感覚で季節の移り変わりや天候、そして人々の営みをあたたかな眼差しで表現しました。両者の作風は対照的でありながら、当時から多くの人々を惹きつけ、国内外に多大な影響を及ぼしました。
本展では、実業家・原安三郎(1884〜1982)氏が蒐集した名品約220件を一堂に公開します。原氏は、蜂須賀藩の普請方をつとめた家系に生まれ、父親は徳島特産の藍を扱っていました。氏の審美眼にかなった作品は、摺りの発色が鮮やかに保たれ、今日なお当時の色彩を伝えています。さらに、これまで公開されることのなかった肉筆画も特別出品され、浮世絵師の筆技を観覧できます。
京都での公開は今回が初めてです。風景画の名品を一堂に会した貴重な機会を通して、北斎と広重が描いた江戸の豊かな世界をご堪能ください。
◆ 原安三郎コレクションとは
財界の重鎮として経団連常任理事などの要職をつとめ活躍した日本化薬株式会社元会長の原安三郎(はら・やすさぶろう/1884~1982)氏が蒐集したコレクション。同コレクションの中心である浮世絵は、大正のはじめに横浜の宣教師から譲り受けたものを母体として、長年にわたり集めていったものと伝えられます。2005年に初公開されると、一人の蒐集家の所蔵品としては、質の良さと量の多さにおいて最大級の発見と言われました。
特に、誰もが知る北斎〈冨嶽三十六景〉や広重〈東海道五拾三次〉など、いわゆる「揃物」(シリーズ)が丹念に蒐集されていることが特徴です。また、肉筆浮世絵においても、米国人ウィリアム・ビゲローの旧蔵品をはじめ、貴重な作品が多く含まれています。本展では、約20年ぶりのラインアップで、北斎や広重の名品を揃って紹介します。
開催概要EVENT DETAILS
| 会期 | 2026年4月18日(土)~2026年6月14日(日) |
|---|---|
| 会場 |
京都文化博物館
|
| 住所 | 京都府京都市中京区三条高倉 |
| 観覧料 | 未定 |
| TEL | 075-222-0888(代表) |
| URL | https://www.bunpaku.or.jp/ |
京都文化博物館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES
葛飾北斎《冨嶽三十六景 凱風快晴》中外産業株式会社原安三郎コレクション
葛飾北斎《諸国瀧廻り 下野黒髪山きりふりの滝》中外産業株式会社原安三郎コレクション
歌川広重《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》中外産業株式会社原安三郎コレクション
歌川広重《武陽金沢ハ勝夜景》中外産業株式会社原安三郎コレクション