5.0
「よみがえる絵画」という面白い試み
平塚市美術館所蔵の作品で経年劣化等で傷んだものを修復して、それを展示しているという展覧会。
というあまり他では見ない視点な上、失礼ながら平塚市美術館以外ではあまり観ない画家の作品、という二重の貴重さのある展覧会です。
会場には、絵画だけではなく修復報告書(絵画のどこが傷んでいて、それをどのように修復するか決め、結果報告までまとめた書類)も観られて、勉強になります。
展示されている画家の中で、特に井上三綱が目をひきました。抽象絵画にはなるのでしょうが、馬や牛が描かれていることはちゃんと分かるレベルでの崩し方で、抽象絵画への理解の浅い私でも楽しめる絵画でした。
写真は、川村清雄《滝》のみ撮影可能です。
この展覧会で一つだけ残念なことは、折角広い会場なのだから、絵画の隣に「修復前のもの」の写真を小さく掲示していただきたかったです。
会場入り口に川村清雄《滝》の修復前写真があり、これを見ると修復作業の大変さ・意義が良く分かります。これをすべての作品で観たかったです。







