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江戸時代も、川岸がきれいに整備され、ビール会社やスカイツリーもある今も、墨田川は面白い!
たばこと塩の博物館さんは、たばこと塩を中心に江戸文化関連の資料をかなり蒐集されているようです。今展は、同館が渋谷から墨田区に移転してちょうど10年となる節目の時期に開催される記念碑的な展覧会なのだそうで(渋谷時代には本当にちょくちょく寄らせていただいていました)。前後期合わせて約150点で、江戸の人々が楽しんだ隅田川の魅力を追体験で楽しむことができます。大蔵省煙草専売局の工場が隅田川沿いに建てられるなど、隅田川はたばこ産業にとっても重要な川であるため、移転した2015年以降、同館では浮世絵を含む隅田川に関わるさまざまな資史料を収集してきたのだとか。また、今年はNHK大河ドラマ「べらぼう」の影響もあってか、江戸文化、特に浮世絵に興味を持った人も多く、浮世絵美術館以外でも浮世絵関連の展覧会がとても多いです。例年夏休み期の「塩」関係の企画展の前は、私が最も注目したい、たばこ関連の工芸系企画展が来ると思っていたのですが‥、ちょっと残念に思いつつも、それなりに楽しませていただきました。絵師ではなく墨田川沿いの名所や逸話にスポットを当てた、江戸から明治初期の浮世絵作品が展観されています。江戸時代の隅田川は、桜や雪の頃の美しい光景、西を向けば富士山、北を見れば筑波山が目に入り、穏やかな流れには遊船や物を運ぶ船が行き交い、在原業平の故事で知られる都鳥が遊ぶなど、人々を惹きつける景色がたくさんありました。絶景ポイントに、由緒ある神社仏閣に、人気の店屋、火除け地に集まる芝居小屋など、花の名所、花火、幽霊話、そして開国近代化、その象徴のような橋、そして更には水害まで。なかなか見どころ満載でした。またも会期が終わってしまってからの感想でごめんなさい。




