3.0
葛飾北斎を稀代の浮世絵師へと育てた板元たちと北斎との関係に迫る展覧会。
すみだ北斎美術館の「北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで」展に行って来ました。NHK大河の関係で、とにかく版元・プロデューサー蔦重さんがらみの展覧会が、やたら多いですよね。北斎は色々な仕事をしています。浮世絵の版下絵だけでなく物語などの挿絵、教則本の絵、勿論肉筆画も、そして戯作まで書いていました。板元は、時代状況を捉え、人々が求めるものを見抜き、機敏に且つ慎重に対応する、そんな手腕が決め手です。今展は、江戸のメディア王と評され、北斎の才能に早くから目をつけていた蔦屋重三郎、初代と二代をはじめ、京発祥の老舗鶴屋喜右衛門、「冨嶽三十六景」をヒットさせた西村屋与八、『北斎漫画』を出版した永楽屋東四郎、幕末を代表する板元森屋治兵衛、といった江戸のヒットメーカー・板元たち其々が、北斎をどのようにとらえ、プロデュースし、どのような作品を世に生み出したか、其々の葛飾北斎像を作品から辿っています。なんとなくNHK大河ドラマ俳優の顔ぶれまで浮かんでしまいますが‥。それから今回も、現代の出版元が制作し、北斎からインスパイアされた現代アーティストの作品も紹介されていました。
前後期で一部展示替えありました。出品数は其れほど多くないのですが、なかなか面白かったです。混雑もあまりなくマイペースの鑑賞が出来ました。