4.0
神秘的で迫力あり自然と野生の緊張感あり、そしてユーモラス。現代の「鳥獣戯画」の世界堪能。
入ってすぐの展示から動物たちがお出迎えで、思わずほっこりでした。竹内浩一氏の《戯画猿来迎》他5連チャン。竹内氏、「動物画」をとても得意とされる画家さんですよね。高校で日本画を学んだ後に、テキスタイルデザインの世界で大活躍されながらも日本画を描き、25歳で動物画の大家山口華楊に師事して、こちらでも認められ、29歳でデザインには終止符を打ち日本画家の道を選択、その後も他方で受賞を重ね活躍を続けられ、今は日展の重鎮で京大教授と、後進育成に力を注ぎつつ、大徳寺芳春院奥襖絵を制作など、大変な活躍を続けられています。繊細な観察眼と独特の筆致で、ユーモアと暖かみのある、それでいてその奥に野生の緊張感をしっかり宿している動物たち‥、そんな氏の作品が大好きです。《戯画雨中鯰遊図》激しく雨が降り出して慌てて逃げ出す兎に対し、池ではスッポンを囲んで水を得た魚のように?はしゃぐ、鯰とスッポンの、声まで聞こえて来そうです。《戯画釣名人》の菅笠の猿は小父さんにしか見えません(笑)。加山又造氏の《洋猫》は、吸い込まれそうな青い目と、竹内氏とはまた違った繊細さで一本一本丁寧に描かれた毛と、背景のシックな箔置きがバランス良く、全体神秘的で、見てこちらもシュッとなります。上階では、平子真理氏の《Monkey Race》、鮮やかな一双の金屏風に描かれたダチョウたちが圧巻。最初気づきませんでしたがよく見ると子ザルが上に乗って(しがみついて)いて、どうやら競走をしている?らしい。ダチョウもサルもふわふわした毛の質感だけでなく、豊かな表情もとても魅力的でまたまた笑まずにはいられません。疾走感では犬たち、迫力では象たちの作品も登場。今回一応私の一番のお気に入りは、松村公嗣氏《春待つ》ですが、齋藤勝正氏《白い朝》、上村淳之氏《雪の音》、野地美樹子氏《影綴り》など、みな何とも言えない別世界へ連れて行っていただけました。撮影自由でスマホ無料解説もあります。一休みには3階のコーヒーと資料の休憩コーナーもあります(今回は桜の絵の展示はありません)。秋のひととき、駅近・低料金(ぐるっとパス無料)ですし、現代日本画が描き出す「鳥獣戯画」の世界に遊んでみてはいかがでしょうか。










