4.0
今後、かつての雑誌文化をどう残していくのか・・
FASHION・FANTASY・FUTUREの3部構成ですが、FASHIONはananを中心とした雑誌をテーマ毎に拡大パネルで掲示。それと古いanan30冊程度が閲覧できる円卓コーナー。FUTUREは堀内さんの友人や関係者の(コメント)パネルの掲示と関連図書等の展示。FUTUREの内容はどちらかというと雑誌の関係者が多かった印象。FANTASYはスペース、ボリュームとも一番多かったですね。見に来る人によってどこに軸足を置くかが異なると思いますが、私のようにFASHIONを軸を置いた人にはやや期待ハズレだったかな。FASHIONは結局こういう見せ方しかできなかったかぁ・・というのが正直な感想。とは言えそれほど数は多くないもののFUTUREで直筆の油絵やデッサンを見ることが出来たのでそれは良かったと思います。個人的に今回のアタリ(特に印象に残った作品)は1つでした。
◎雪わたり(インスタレーションと絵本)
堀内さんの雑誌の仕事は(関係者のコメントからも窺えましたが)スピード、量が勝負という条件の中で自らの個性をスパークさせていったように思えますが、絵本の方は絵描きとしてじっくりやりたいことをやったような印象があります。「雪わたり」の絵は素晴らしかったですね。レイアウトもパースペクティブも色味も堀内さんの持ち味がバッチリ発揮できていたように感じました。
せっかくなのでここから先、少し雑誌文化について触れてみたいと思います。
以前、朝日新聞で幻冬舎の見城社長(角川書店出身)が「かつて雑誌の莫大な広告料を土台に回っていた出版社の財務スキームが(Web、映像の台頭で)シュリンクし出版不況に影響した」という趣旨のことを書かれていました。芸術の創造にはカネがかかる。コマーシャルベースではあったかもしれないけどそれを活かして堀内さん、新谷雅弘さん、吉本由美さん、石川次郎さん他にもたくさんの錚々たるエディター、イラストレーター、アートディレクター、ライター、スタイリストなどの方々が活躍されたあの時代。その産物をどう残していったらよいか?というのはある意味当時を知る人にとって大きな命題だと思うんですよね。私自身古い雑誌を相当数ストックしていますが、これは雑誌が基本再版されないからです。絵本が再版され読み継がれていくのに対して雑誌はワンショットのアートでしかない。これはホントに大きなことです。
既に人やカネはWebや映像に映っ… Read More