ミュシャ展 ~マルチ・アーティストの先駆者~
美術館「えき」KYOTO|京都府
開催期間: ~
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なじみ深い画家の新しい発見
ミュシャは私にとってなじみ深い画家のひとりです。
近隣の堺市にあるアルフォンス・ミュシャ館には毎年数回通っており、京阪神でミュシャ展をやると聞けば必ず行くようにしています。
当然、ミュシャの作品はリトグラフが中心で、堺市の土居コレクションや、日本最多を誇るOGATAコレクション。中之島美術館に今回のチマルコレクション。どれも同じ作品が多いわけですが、それは浮世絵と一緒。刷り方や保存状態、また展示構成などで「同じであって同じではない」といえましょう。
その少しつづ違うところを見つけるもの楽しみの一つ。
例えば、『スラブ叙事詩展』のためのポスターも、下段の場所や日時が書かれている完全系で見たのは今回が初めて(しかもモデルとなった娘ヤロスラヴァさんの写真付き!)だったし、あの『JOB』商品(たばこの巻紙)の実物まで見られるとは。
圧巻なのはやはりサラ・ベルナールの演劇ポスター群。
『ジスモンダ』『椿姫』『メディア』など8作品が並んでいます。
作品保護の見地から、すべてを所蔵している堺市アルフォンスミュシャ館でも
これらすべてを一時に並べることはないでしょう。
しかも、今回は写真撮影可能という夢のような展覧会。
ほかに特筆すべきなのが、素描や水彩画などの直筆、ゴーギャンとの写真や学生時代のメモなど、彼のプライベートを垣間見られること。
個人的には1936年の水彩画『クリスマス』が印象的でした。
まるで少女漫画の表紙に出てくるような可憐さとやさしさ。
ミュシャがマルチタレントの先駆者たる所以は、作品ジャンルの多さではなく
画風の広さにあるのかもしれない。
改めてミュシャを知ることのできる発見の多い展覧会でした。
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