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長い歴史の中で、様々な形で日本の芸術文化に接してきた皇室に伝わる国内外の優れた美術品は、主に宮殿など公式の場の装飾品などとして使われ、天皇陛下・皇族方が使用するほか、帝室博物館建設後には、博物館での展覧にも供されていた。
"御物”と敬称されたこれらは、有識者によって評価や保存の検討がなされた上で、用途によって侍従職、主殿寮、内匠寮、図書寮などで管理されていたが、戦後、それまで御物であった法隆寺献納宝物の大多数が国有となって東京国立博物館へ移管された。また、正倉院宝物や書陵部所管の品々も国有となって宮内庁で管理されるなどの整理が図られたが、なお一部は御物として残され、侍従職で管理されてきた。
1989(平成元)年6月、上皇陛下及び香淳皇后は、昭和天皇まで代々皇室に受け継がれてきた御物の中から、約6千余点の絵画・書・工芸品などを国へ寄贈した。これら寄贈品は、一括して宮内庁で管理することとなったが、優れた美術品が多く含まれているため、その保存管理に万全の策を講じるとともに広く国民に公開するために、専門の建物、組織を設置することとなった。建物は1991(平成3)年1月着工、1992(平成4)年8月竣工、三の丸尚蔵館と名付けられ、ここに作品を収蔵するとともに、1993(平成5)年11月3日より一般展示公開が始まった。
その後、1996(平成8)年に旧秩父宮家からの遺贈品が、2001(平成13)年には香淳皇后の遺品が、2005(平成17)年には旧高松宮家からの遺贈品が、さらに2014(平成26)年には三笠宮家からの寄贈品が加わった。
収蔵品には、平安時代の書の逸品「粘葉本和漢朗詠集」、「金沢本万葉集」、鎌倉時代の絵巻「春日権現験記絵」、「蒙古襲来絵詞」のほか、狩野永徳筆「唐獅子図屏風」、狩野探幽筆「源氏物語図屏風」、伊藤若冲筆「動植綵絵」、近代では下村観山や横山大観、並河靖之、高村光雲らの作品など、各時代を代表する貴重な作品が数多く含まれている。
三の丸尚蔵館の建物は、これらの貴重な作品を恒久的に伝えていくための保存を重視することから、温湿度管理のできる収蔵庫を備え、一部を展示室として公開している。また、専門的な調査研究を行い、今後は修理などの保存措置を講じながら、その成果を広く公開していくための活動を進めていく。
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