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神田日勝記念美術館は、1993年6月17日に鹿追町立神田日勝記念館として開館(2006年に現在の館名に改称)した美術館である。
終戦間際に東京から十勝・鹿追に疎開し、農業のかたわら独学で油絵制作を行った洋画家 神田日勝(かんだにっしょう 1937年12月8日–1970年8月25日)の画業を顕彰し、鹿追町の芸術文化の発展と振興を目的に建設された。設計は建築家 廣田直行が手がける。
神田日勝の作品は、ベニヤ板にペインティング・ナイフを用いて描かれているのが特徴である。抽象表現主義が興隆する同時代の美術界において、農耕馬や廃品など、身近な題材を克明に描き出す力強い具象画を描いたことで異彩を放った。
画家はわずか32歳で夭逝するが、13年程の短い制作期間のうちに、画風は多様に変化を遂げる。≪ゴミ箱≫(1961年)・≪死馬≫(1965年)など、農村生活に根ざした題材を克明に描き上げたものから、≪晴れた日の風景≫(1968年)・≪人間A≫(1969年)など、鮮烈な色彩と激しい筆触による表現主義風の作品。そして≪室内風景≫(1970年)に代表される、新聞広告やポスターを「だまし絵」のように実物そっくりに描き、政治的・社会的メッセージを込めた作品など、多岐にわたる。
神田日勝記念美術館では、それらの作品を常設展・特別企画展を通じて紹介し、デッサンや画家が実際に所持していた書籍や画材、写真資料と併せて展示を行っている。
神田日勝記念美術館のロゴマークに使用されている≪馬(絶筆・未完)≫(1970年)は、急逝した画家のアトリエに遺された未完の油彩画である。晩年の作風とは一線を画す題材・描法は、画家の原点回帰を思わせるが、その完成像を知る手立てがないため謎も多い。生前の発表の機会は無かったものの、今日では≪室内風景≫(1970年)と並ぶ代表作として知られている。「結局、どう云う作品が生れるかは、どう云う生きかたをするかにかかっている」と語り、全身全霊でキャンバスに対峙し続けた画家の儚くも力強い生きざまを物語っているかのような作品である。
◆ 神田日勝 略歴
1937年 東京・練馬に生まれる
1945年 戦火を逃れて一家で十勝・鹿追に疎開、農業を始める
1953年 農家を継ぎ、農作業の合間に独学で油彩画を制作
1961年 全道展(全道美術協会)で北海道知事賞受賞
1964年 独立展(独立美術協会)初入選
1966年 全道展会員推挙
1967年 独立展会友(4年連続入選)
1970年 病没、遺作≪室内風景≫が独立展で宋左近の注目を浴びて一躍有名となる
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会期終了
会期: 〜
本展は、鹿追では初となる神田一明(かんだかずあき 1934- )と神田日勝(かんだにっしょう 1937-1970)の兄弟展です。 1945年8月14日、神...