芸術新潮1983年7月号特集「東西有名贋作展」より

「国立西洋美術館のドラン、デュフィ購入事件が報じられたのは、1966年2月。」
「20年近い歳月のなかで、贋作購入事件は、ひたすら風化していき、ドランとデュフィの作品は、同美術館収蔵庫の中で空調の音を聞きながら眠り続けている。が、この事件を風化されては困る。3,4年来、県立、市立の地域美術館が続々と誕生、これらの美術館が再び、西洋美術館の轍を踏んではならない。」
国立西洋美術館を直撃した〈ルグロ事件〉安井収蔵、より
「こんなつまらぬ作品が、と思われるものも、何人かの権威が認定すると、誰ひとり異見を差し挟まなくなる。反論をとなえれば自分の眼の悪さを見定められる、と思ってしまう。従ってこれは、催眠にかかったとしか言いようがない。」
稀代の贋作者による〈フェルメール事件〉田中英道、より
「実情においては、美術愛好者=収集者といわれる人々は、ほんの少数を例外として、絵を見ずに画家の名前を見、内容を確かめずに価格を信じているのである。」
体験的「耳鑑」論、瀬木慎一、より
芸術新潮1983年7月号特集「東西有名贋作展」より
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