この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
日本映画の豊かな歴史を眺めた時、名監督 田坂具隆(たさかともたか 1902-1974)の名を忘れることはできません。1926年に『かぼちゃ騒動記』でデビューした田坂は、やがて『真実一路』(1937年)、『路傍の石』(1938年)といった文芸作品でヒューマニズムに溢れる作風を確立、内田吐夢とともに日活多摩川撮影所の全盛期を築きました。また、『五人の斥候兵』(1938年)からは迫真性と人間味に満ちた戦争映画の作り手としても名を轟かせます。
1945年8月、田坂は広島で被爆し数年の闘病を余儀なくされますが、再起後は数々の撮影所で石原裕次郎・中村錦之助・佐久間良子らスターの育成に力を注ぎつつ、『女中ッ子』(1955年)、『陽のあたる坂道』(1958年)、『ちいさこべ』(1962年)、『五番町夕霧樓』(1963年)など幾多の名作を残しました。
こうした輝かしい作品群を誇りながらも、田坂は長らく再評価の機会に恵まれてきませんでした。しかし、小さきもの、弱きものに一貫して寄り添うその作風は、篤実に生きようとする人々へのエールに満ちており、続けざまの災厄に苛まれ、社会の不寛容さが増すこの時代にこそ強く輝くはずです。没後半世紀となる本年、国立映画アーカイブは田坂をめぐる書籍の刊行に連動して、関係者より提供された貴重な資料を公開する初の回顧展を行うとともに、監督作の特集上映も開催いたします。人間の「善」を誠実に信じた田坂を通じて、映画とその向こう側にある人間の生を見つめ直す機会となるでしょう。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2024年9月7日(土)~2024年11月24日(日) |
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会場 | 国立映画アーカイブ Google Map |
展示室 | 展示室 7階 |
住所 | 東京都中央区京橋 3-7-6 |
時間 |
11:00~18:30
(最終入場時間 18:00)
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休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 250円(200円) 大学生 130円(60円) 65歳以上、高校生以下及び18歳未満、障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
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TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
URL | https://www.nfaj.go.jp/ |
国立映画アーカイブの情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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