4.0
目で見て心で感じる展覧会でした
『祈りの美』をテーマにした本展は、東大寺管主を務められ”昭和の良寛さん”と呼ばれた清水公照さんの色鮮やかで自由闊達な筆さばきで描かれた数々の絵と言葉から始まり、仏様や禅の教えが真っ直ぐ心に響きました。沢山作られた手びねりの《泥仏》は一つずつ異なるお顔とポーズが味わいがあって、個性豊かな表情が愛らしかったです。
杉本健吉さんの古都”奈良”を描いた作品は、東大寺や奈良公園など馴染みの大好きな場所が多くあって楽しかったです。
また、平山郁夫さんが仏教が伝来したシルクロードを辿る旅をして描いた《楼蘭の遺跡》は、見渡す限り広大で荒涼とし大地が黄土色に輝く美しい光景がとても神々しく目に映りました。インドから中国を経て伝来した仏教が、ここ奈良で古より多くの信仰を集め、天災や病苦等に救いを求め、人々の祈りが捧げられてきた地なんだなと改めて感じました。