4.0
亡くなったあとで、たくさんの人が来ていた。
インタビュー映像など計37分。
亡くなったあとで、たくさんの人が来ていた。
土日最終日には作品にあたるのではないかというくらい、大きい作品をぎゅうぎゅうに置いていた。
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本展覧会は、70年にわたる三島の創作の軌跡を、主要作品を通して概観するものです。大量消費社会や情報化社会へ厳しい視線を投げかけつつも、情報やゴミを異化作用を通して造形表現へと転化させた三島作品は、日々の暮らしの中から遊び心をもって生み出されてきました。
会場では、初期のコラージュ作品から、「割れる印刷物」のオブジェの数々、環境に配慮した素材による近作などが並ぶなか、ハイライトとして三島の代表作であり、最大規模のインスタレーション作品≪20世紀の記憶≫を展示します。
ぎっしりと床に敷き詰められた大量の耐火レンガ・ブロックから成るこの作品は、各レンガの表面に三島が20世紀の100年間から抜き出した新聞記事が転写され、文字通り20世紀の記憶の断片を視覚化するとともに、その時代に向き合った彼女自身の記憶が刻まれているように思われます。
三島が作品に刻印した20世紀の記憶を、来るべき未来への記憶として改めて受け止める機会となれば幸いです。
会期 | 2024年5月19日(日)~2024年7月7日(日) |
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会場 |
練馬区立美術館
![]() |
住所 | 東京都練馬区貫井1-36-16 |
時間 |
10:00~18:00
(最終入場時間 17:30)
|
休館日 | 月曜日 |
観覧料 | 一般 1,000円 高校・大学生および65~74歳 800円 中学生以下および75歳以上 無料 (その他各種割引制度あり)
|
TEL | 03-3577-1821 |
URL | https://www.neribun.or.jp/museum.html |
4.0
インタビュー映像など計37分。
亡くなったあとで、たくさんの人が来ていた。
土日最終日には作品にあたるのではないかというくらい、大きい作品をぎゅうぎゅうに置いていた。
5.0
練馬区立美術館入口のパネルで、三島喜美代さんが6月19日に91歳て逝去されたことを知り、驚いてしまいました。
抽象絵画やコラージュから陶作品まで、数多くの作品を鑑賞できました。ロイ・リキテンスタインからの書簡や本物の空き缶に見える陶作品を触れるコーナーもあり、最後の1万個以上の耐火レンガが敷き詰められたインスタレーションは、圧巻でした。巨大な月刊少年ジャンプの陶作品は、表紙が小学生の時に読んでいたものだったので、とても懐かしかったです。
今は閉館してしまった、当時 品川にあった原美術館の中庭で初めて目にした、三島喜美代の1作品(現在は、伊香保の原美術館ARKに移転)から20数年…亡くなったのは残念ですが、東京の美術館での初の個展を拝見でき、とても良かったです。
一緒に行った、現代アートに疎いと言っていた友人も、絶賛でした。
5.0
本日(6月27日)の朝刊に、「三島喜美代さんが91歳で逝去、同氏の展覧会が練馬区立美術館で開催中」との記事が載りました。この記事を読み、急遽、「三島登美代 未来の記憶」展を観に行きました。東京の美術館における同氏の最初の個展とのことですが、これを見逃したら高齢の私はもう観る機会がないかもしれません。
「第1章 初期作品」1950年1970年頃
初期作品の油絵は具象画も抽象画も平凡であまり見所はありませんが、シルクスクリーンを用いるようになってからは、ウォーホル風のポップアートな作風に変わっています。特にボッティチェッリの《ヴィーナスの誕生》の画像のネガとポジを反転して刷った「ヴィーナスの変貌Ⅴ」が秀逸です。
「第2章 割れる印刷物」
1970年代から始めたシルクスクリーンで印刷物の文字を薄い陶土に転写して焼成する立体作品群には驚きました。印刷物そっくりの焼き物で。陶土なのか紙なのか、直接触ってみたい、割ってみたい誘惑を抑えて鑑賞しました。
「第3章 ゴミと向き合う」
廃棄物や溶融スラグ等を用いた作品群ですが、長坂真護さんほか、ゴミを素材とするアーチストがに増えていますので、特に感動はしませんでした。ただし、溶融スラグで作った漫画誌の巨大さには驚かされました。
「第4章 大型インスタレーション」
一万個の廃耐火レンガを床一面に敷き詰めた大インスタレーションに圧倒されました。しかもこの一万個のレンガにはすべて20世紀100年間の新聞から抜き出した記事が転写されています。インスタレーションの巨大さとともに、この作品に費やされた膨大な労力に驚かされます。
弔報を知ったせいでしょうか、いつも空いている練馬区美術館がかなり混でいました。急遽観に行って良かったです。7月7日までの開催ですが、お薦めです。
「付記」アーチスト名に誤字がありましたので、修正しました。
4.0
2021年に森美術館で開催された「アナザーエナジー展」でトリを飾っていたとき以来の対面である。
初期の油彩画やコラージュ、シルクスクリーン作品から、印刷物を転写した陶の作品、溶融スラグを使った大型の作品、そしてインスタレーションまで。煉瓦ブロック1万600個を敷き詰めたインスタレーション《20世紀の記憶》は圧巻。規模の大きくはない練美の展示室のはずが、20世紀から未来までどこまでも続いていくようだ。
この創造のエネルギー。ロックフェラー財団の奨学金でニューヨークに留学したのは54歳のとき。それからだってもう38年経っている。いつかインタビューで「命かけて遊ぶ」と言っていたが、好奇心にあふれ、おもしろさを求めている。作品の意味は実はシリアスなものも多いが、何と言っても創造の楽しさがその作品から伝わってくる。
何とチャーミングな91歳、チャーミングな作品だろうか。
4.0
三島喜美代の作品で最初に見たのは、くしゃくしゃになったチラシを満載した5mぐらいの高さの巨大なゴミ箱でした。直島のベネッセアートサイトにある《もうひとつの再生 2005-N》という作品です。ゴミ箱は最近、お目にかかることのない、金網で囲われたメッシュごみ箱。その中に入っているのは、巨大なチラシに見える陶板で、陶板に「大バーゲン」とか「売りつくし」といったチラシのデータを転写したものが何枚も折り重なっている、という作品です。ちなみに1932年生まれの三島の73歳のときの作品です。
それ以来、ファンなんです。グループ展ではそこそこ見るようになったのですが、なかなか個展は東京ではやってくれなくて、残念な感じだったのですが、待つこと十数年、やっと練馬区立美術館で開催の運びとなりました。単純にうれしいです。
展示は三島喜美代の70年を超える創作活動を年代順に見せてくれます。最大の見所は一部屋を使った《20世紀の記憶》。20世紀に起きた事件の新聞記事を転写した耐火レンガを1万600個、床に敷き詰めている。あと、参考出品で陶で作った空き缶に触れるのが、かなり嬉しい。
写真撮影OKで、展示替えなしです。
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東京都練馬区で開催中の展覧会
三島喜美代《20世紀の記憶》(部分)1984-2013年 耐火レンガに印刷 個人蔵
写真撮影:小川重雄 写真提供:美術資料センター(株)
三島喜美代《Work 17-C》2017年 陶、転写、彩色 ポーラ美術館
写真撮影:中川忠明 写真提供:艸居
三島喜美代《覇》1960年 油彩、画布 個人蔵
三島喜美代《Work-64-I》1964年 新聞、雑誌、油彩、板 京都国立近代美術館
三島喜美代《ヴィーナスの変貌Ⅴ》1967年 アクリル絵具、コラージュ、シルクスクリーン、合板 個人蔵
三島喜美代《Paper Bag (シリーズ) 》1973-1980年 陶、転写 兵庫陶芸美術館
三島喜美代《Package '78》(部分)1978年 陶、転写、彩色 滋賀県立陶芸の森 陶芸館
三島喜美代(手前)《Untitled》(奥)《Untitled》それぞれ1984年 陶、転写 個人蔵
三島喜美代《Information was Shut C》1989年 陶、鉄、コンクリートに印刷 個人蔵