3.0
2人でいろんなことをやる
「他者」との共生を、アーティスト2人で、チャレンジングにトライして、動画や写真に収める、というプロジェクトが沢山展示されている。当時はともかく、今見ると、既視感があって、田中功起さんほどのコンセプトもなく、なんというか、たくさんの実験をみたという感想です。
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山下麻衣+小林直人は、映像作品やインスタレーションによって国内外で活躍するアート・ユニットです。コントロールの効かない不確かな存在としての自然をわからないままに捉え、どうにかして関係性を構築しようとする山下+小林の作品では、些細な日常が価値を持ったり、奇跡的な出来事へと転換したりといった場面に少なからず遭遇します。
それは、鑑賞者の視点や価値観をささやかかつダイナミックに揺るがし、ときに世界の見方を変動させる力を持っています。それはまた、自然や動物を含めた「他者」、ひいてはこの世界に対するかれらの切実な関心が結実したものとも言えるでしょう。
本展では、山下+小林による多彩な表現と実践を、最初期の作品や国内未発表作を含め網羅的に紹介し、その全貌を紐解きます。また新作として、水戸芸術館現代美術センターの場の特性を活かし屋外広場で会期中に巨大な参加型作品を展開させます。
災害やパンデミックを経て人と自然との不安定な関係が可視化され、また世界的な紛争の続く現在において、本展を通して「他者」との関係性を改めて考え、人々がそれぞれに見ている世界への認識を更新し、個々の存在のあり方を問う機会を創出します。
会期 | 2024年7月27日(土)~2024年10月6日(日) |
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会場 | 水戸芸術館 現代美術ギャラリー Google Map |
住所 | 茨城県水戸市五軒町1-6-8 |
時間 |
10:00~18:00
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休館日 |
月曜日、8月13日(火)、9月17日(火)、9月24日(火) ※ただし8月12日、9月16日、9月23日は開館 |
観覧料 | 一般 900円 団体(20名以上)700円
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TEL | 029-227-8111 |
URL | https://www.arttowermito.or.jp/gallery/ |
3.0
「他者」との共生を、アーティスト2人で、チャレンジングにトライして、動画や写真に収める、というプロジェクトが沢山展示されている。当時はともかく、今見ると、既視感があって、田中功起さんほどのコンセプトもなく、なんというか、たくさんの実験をみたという感想です。
4.0
水戸芸術館には芝生が青々とした広場がある。この広場では、通常、フリーマーケットとか野外コンサートとか、健全な催し物が開かれるのですが、ときどき現代美術の美術展に巻き込まれて、全長50mの巨大なバッタが出現したり、人口の霧で覆われたりと、非日常がぱっくり口を開けることがある。
今回は花壇です。花壇は平和そうでありふれたモノですが、芝生の一部を掘り返して、いきなり出現すると、そこそこ非日常です。それも「大丈夫」という文字の形に花が植えられるとなると、微妙に穏やかではない。猛暑の中、「大丈夫」といわれても…。だいたい、この暑いなかメンテナンスはどうするのか、会期が終わったら花はどうするのか?それよりなぜ花壇なのか、とまあ気になって、水戸へ。
花壇プロジェクトのタイトルは《人が花に対して、また花と共に行う営み》。美術展のタイトル「他者に対して、また他者と共に」と似ていて、「他者」と「花」を置き換えた感じ。結局、展示現場で大きな看板に書かれた、山下麻衣+小林直人による説明でかなり納得しました。曰く「すべてのアートは政治的だ、と近年よく耳にする」から始まり「正直面倒かと思う。でも、花を1本植えることから始まる『政治』があっても良いように思う」で閉める、というテキストです。割と荒唐無稽な感じのする作品を制作するのにあたって、論理的なアクロバット、今回の場合はなぜ花壇なのかをテキストで公開するというあたりは、このユニットの面白さをよく表しています。
ちなみに、屋内では山下麻衣+小林直人による、最初期から最近作までの35シリーズ120点を展示。作品で満杯です。これも楽しい。しかし、これ以上増えると水戸芸では入りきらない。最初で最後かも。
撮影はOKで展示替えは基本なし。図録は制作するけど、発行時期未定で価格やページ数も未定。
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