4.0
音声ガイドが頼りになります
本展の案内文の最初の一文にこう書かれています。【藤原更(ふじわらさら)の作品は、写真でありながら、写真ではありません。なぜならそこには、写真には捉えきれなかった“記憶”が挟み込まれているからです。】
哲学的な文章を読んで、本展は自分には理解不能ではないかという不安半分、写真なのに写真ではない?何?という期待半分で来館しました。
蓮・薔薇・芥子の3種の花をテーマに様々な技法を使った作品が展示されています。展示ルームは様々な色の作品にあふれています。
ヤマザキマザック美術館ならではの「無料音声ガイド」のおかげで、「どんな経緯(どんな思い)でこの花を選んだのか」「撮影方法のこだわりや現像した写真をどういう技法で仕上げたのか」が理解できました。逆を言えばガイドが無ければ難解な展覧会かもしれません。
「記憶の芥子」にはインスタレーション作品があります。実際の芥子畑の風景に包み込まれた感覚になれる、というものでしょう。説明に従って、作品の内側に入ってみたところ、言わんとしているところはわかりましたが、空気の動き(風)が感じられると更に雰囲気を味わえるのではないかと感じました。