3.0
没後初の大規模回顧展。正直言ってもっと観たかった。
2020年に亡くなられた、高田賢三氏。没後初の大規模回顧展が、出身の文化服装学院のある新宿、その区内のオペラシティーアートギャラリーで開催。パリでなく日本なら姫路とか神戸とかよか、やっぱ新宿よね、な~んて‥。(ちなみに同級のコシノジュンコさんは85歳で未だご活躍中)
ファッションの世界には全く疎い私ですが、近年、国立新美術館ファッションインジャパン以来、都内だけでもマリー・クワントにガブリエル・シャネルにクリスチャン・ディオールにイヴ・サン・ローランにあと中原淳一も‥かな。いろいろモード系デザイナーさんの方の展覧会が開催されていて、一応観て来ました。みな良かったと‥。若くして単身パリに渡り、パリに、また時代にも愛された高田賢三の軌跡を、生まれてから晩年までの年表と、所々に関連した写真やポスターなどをはさみつつ、時代時代の作品が並び紹介しています。1982年のマリエ(ウェディングドレス)もありました。ファッションの世界に疎い私でもはっきり記憶にあるのは、当時‥自分がチロリアンテープを縫い合わせてポケットティッシュ入れを創ったり、黒のシンプルな安トートバッグに自分でお気に入りチロリアンテープ2本を縫い付けたりしていた頃でしたから(笑)。四谷シモン氏と作り上げた自由な関節を持つマネキンも展示されていました。一番大きな展示室には、バラなど華やかなモチーフの生地見本が並べられてタペストリーの様。そして中央には、まるでファッションショーのランウェイのように作品を着けたトルソーが並びます。映像作品以外は撮影可の本展、みなスマホを向けてカシャカシャやっていました。最奥の大壁面にはまさにそのファッションショーの映像が流れ、華やかそのものです。
実は一緒に展覧会に向かう友人に、「和」のイメージの話をしたら、KENZOに「和」のイメージは全然ないと言われてしまいました。でも私は、ちぢみに紬や絣に綸子などを使った作品や、着物のような平面裁断の作品の印象が確かにありました。こうして見ると確かに、華やかな花モチーフとビビットな色と、あえて反対色を合わせた大胆でパワフルな色使いの作品たち。「色彩の魔術師」と称されたとか。そこに「ロシアっぽい」「中国っぽい」或は「日本っぽい」褞袍の様な作品や、和生地をあしらったものもいくつか見えて来ました。「髙田賢三のフォークロアと1980年代」の… Read More