一村にとってのニライカナイ
会期はとっくに終了してますが、2024年度の企画展を回顧するにあたって当展はやはり欠かせないでしょう。たくさんのかたがレビューなさってますが、私も末席に加えさせてもらいます。
ちなみにこれもチケプレ当選した展覧会、AAさんからはお…readmore
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国313の美術館・博物館と823の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
国内最多のコレクションを誇る田中一村記念美術館(鹿児島県奄美市)の全面的な協力により、神童と称された幼年期から最晩年に奄美で描かれた作品まで、250点を超える作品を一堂に紹介します。
世俗的な栄達から距離をおき、我が道を歩んで描き続けた一村の生涯は、「不屈の情熱の軌跡」といえるものでした。澄んだ光に満ちた一村の絵画は、その情熱の結晶であり、彼の魂の輝きをも宿しているかのようです。
本展では、近年の研究で発見された資料を多数含む構成により、この稀にみる画家の真の姿に迫ります。
会期 | 2024年9月19日(木)~2024年12月1日(日) |
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会場 |
東京都美術館
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住所 | 東京都台東区上野公園8-36 |
時間 |
9:30~17:30
(最終入場時間 17:00)
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休館日 |
月曜日、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火) ※ただし、9月23日(月・休)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館 |
観覧料 | 一般 2,000円(1,800円) 大学生・専門学校生 1,300円(1,100円) 65歳以上 1,500円(1,300円)
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URL | https://isson2024.exhn.jp |
会期はとっくに終了してますが、2024年度の企画展を回顧するにあたって当展はやはり欠かせないでしょう。たくさんのかたがレビューなさってますが、私も末席に加えさせてもらいます。
ちなみにこれもチケプレ当選した展覧会、AAさんからはお…readmore
4.0
奄美の景色を描いた作品が見たくて訪問。
作品数が多く
幼少期からの作品を辿って行く展示内容のため田中一村が奄美に着くのは最後の展示室となっており、その頃にはクタクタに。
そして奄美時代の作品が思いの外少なくて残念。
5.0
10代からすでにいろんな作風があるが、池のきらめきを睡蓮のようなポタっとした点描で表したり、藤の枝先が象形文字のようになったり。生命力あふれる梅、蘭、竹などが、争うように咲き乱れ、画面を埋め尽くす様子は圧巻。縦長の日本画って、空白が重要なのだと思ってたが、そんなことは関係なく、描きたいものを持っている。
「秋色」は、ルソーが出てきそうな、うっそうとした、にぎにぎした秋。葉っぱの黒ずみまで秋らしい。色の組み合わせにうっとり!
ちょっと一休みして襖絵「千山競秀図」を眺めると、本当にこの眺めを見ているような感覚!ホックニーの身の回りの自然もいいけど、やはり日本人が描く身の回りの自然もいい!枝先がいいな。
「巣立ち」の、巣を離れて、少し名残惜しそうに枝の途中で巣を見返す小鳥にほっこり。
画面いっぱいにあふれる植物の生命力。その片隅に、凛とした存在感を放つ鳥。一村が描く鳥は、清らかで素直でありながら、意志は固いように見える。一村自身の投影でもあったのだろう。
最後の最後にある「アダンの浜辺」、これは確かに実物を見ないと良さを味わえない!上から下まで、見事。曇り気味の、少しけだるい空。アダンの緑と黄いろ、力強い葉っぱ。小さなさざ波を立てる水面と、砂浜、さらに礫の部分は、キラキラ輝き、細かく丁寧な仕上げがされている。一村はこの自然をこよなく愛し、自分の人生を重ね合わせたのかもしれない。
3.0
テレビにめちゃくちゃ煽り倒されてので行ってきました。南画時代を含め、めちゃくちゃ好きというわけではないですが、これだけ集まるチャンス無いなと思った次第です。結構個人蔵が多く、それが意外な感じ。個人コレクターなのか、支援者関連なのかは私には分かりませんが、支援者関連だと良いなと思いながら見てました。
芸術家はしばしば『孤独』と親和性が高いと評されますが、ここまで『孤高』という表現が相応しい人を久々に見たように思います。
東京都美術館で開催中の田中一村展。
鑑賞された皆様の感想と、大人気+大行列の評判を聞いて土日の訪問を断…readmore
3.0
11月12日。閉館一時間前に並ばずに入場。その前はだいぶ並んでいたらしい。中も空いてて見やすかった。
最後の部屋がいいので、はじめに行くといいかもしれません。
5.0
某テレビ局の番宣が凄いので、混んでそうだなぁと平日に休暇とって行ってきました。
平日にもかかわらず、当日券の列ができ(前売りを購入済み)、入場の列ができ、会場も大混雑、ミュージアムショップも行列でした。
出品リストの厚さにおののき(300点超え!)、この混雑で最後まで鑑賞できるか心配になりましたが、いつの間にか夢中で見ていて、3時間強をノンストップ(休もうと思ってもあちこちのソファーが満席で座れず)、大満足、行って良かったです。
第1章は神童とよばれたことに納得の作品たち。とても達者ですが呉昌硯や御舟風でデジャブ感があるなーと思いながらも、画賛(?)が気になりました。漢文は読めませんが、作品の解説なのかなぁと漢字を眺めてました。
第2章の千葉時代は、ちょっと肩の力が抜けた優しい感じの身近な風景画や植物画。
第3章は奄美時代で、濃密な作品が圧倒的な存在感を発してました。カラフルな鳥や草木も魅力的ですが、シュッっとしたモノクロの檳榔樹に惹かれました。
奄美時代は魚のスケッチもたくさんあり、お元気であれば魚介をモチーフにした新たな作品が生まれてたかもしれません。一村は落款の印も自作していたそうで、篆書や隷書にも精通していたのかも、と思いました。
自筆の書簡からは、礼儀正しくまじめな人柄が伺えました。精魂込めた作品を大事に保管して伝えた奄美の方や親せきの方に感謝です。
ミュージアムショップは行列に耐える根性がなく断念。余韻にひたりながら会場を後にしました。
4.0
孤高の日本画家、田中一村の大回顧展。
神童と言われた7~8歳頃の作品から、東京美術学校退学を経て公募展に応募するも大して評価されず、晩年の奄美大島に行きつくまでの田中一村の人生と画業の変遷を見て取れて大変興味深かった。各時期に光る絵画は残しているものの、田中一村といえばこれ、といった代表作なり作風を確立していれば世間の評価も変わっていたのかと思った。
5.0
奄美の田中一村美術館に行くつもりで飛行機と宿の手配をしていましたが、コロナが猛威をふるいはじめ予定をすべてキャンセルする羽目になった2020年春。
いつか行きたいと思っていたらあちらから東京に来てくれました。
少し割引のペアチケットを買い、日を変えて1人で2回観に行きました。
展示数も多く、とても充実していて楽しめました。7,8歳の頃の作品は今回初めて見ましたが、子供の画力でないとびっくり。正に神童。20歳過ぎたらただの人、にはならなかったのが一村です。
直筆の手紙は大変興味深く読みました。割とマメな人だったんだなあと思いました。
真摯に絵を描くことに全力を注いだその人生と、魂を削るようにして生み出した美しい作品達に震えました。昔から大好きな画家の一人です。
いつか必ず奄美の美術館に行こうと思っています。
5.0
若い時から晩年まで、まさに大回顧展。
独特の遠近感と、観察眼に伴う圧倒的な技術。
ずっと見たかった作家の一人だったが、その熱量に圧倒される。
それにしても混んでて、群がる小品はややパス(文化の日)。みんな、そんなに田中一村、好きだったっけ(笑)
4.0
一村の生涯をなぞる膨大な大回顧展
幼少期から有名な奄美時代まで、とにかく膨大な量を集めたものだ。
作風もかなり変化していくというか、若い頃は右往左往しているかのようにも見えた。なにしろどのようにでも〈描けてしまう〉技量が逆に災いしているかのようだった。南画風でも御舟風でも栖鳳風でも相当なレベルまで若いうちから描けてしまう。キャプションに年齢表記があり、それを見ていくのも視点の一つになる。
「白い花」辺りからキレが冴え渡り始め「黄昏」ではルソー的な色合いが出始めた、「葦によしきり」ぐらいから一村独自の大胆なトリミング構図が現れ始めていた。
色々過程を見るのは興味深いが、やはり一村は奄美時代だろう。なにか呪縛から解かれるように、誰のものでも無い独自のスタイルが活き活きとして素晴らしい。それまでの日本画に無かった風景のトリミング、細密的なグラデーションが幽玄に誘う。
鳥を配した作品達は明るく美しく心躍るが、私としては「枇榔と浜木綿」「枇榔樹の森」の陰影に心掴まれ、極彩色の「不喰芋と蘇鉄」の怪しい極彩色に魅入られた。
奄美作品の部屋に椅子があるので時を忘れて見続けていた至福。
ちょっと出展数を欲張りすぎだったのではと思った。「椿図屏風」も襖絵も狭いところに置かれ下がって観られない。一村の生涯を追うにしても、仏画南画等はあれほど数はいらなかったのでは。高齢の方達は最後の部屋で疲労困憊の様子だった。
11月1日(金)4時前入館。そこそこ混雑なれど鑑賞に支障なし。撮影不可。
余談:金曜の夜間開館は快適だった。6時半ぐらいに2周目に入口に戻ってみたらかなり空いていた。ただじっくり観るには2時間以下だと不安です。
5.0
緑色の微妙な濃淡や色相の重なりが美しく、ポスターなどの告知物を見て好みだなあと思ったので、行ってみました。奄美大島の大自然に生息する名もない植物を繊細な描写とダイナミックな色遣いで表現している・・・という先入観を持って臨んだ展覧会でしたが。まるで透明絵具の水彩画のような繊細な色の濃淡が、墨の濃淡に微着色という手法で表現されていたとは、日本人ならではの発想に驚いてしまいます。また、農家の絵の庭先や南国の植物の葉の間など、ところどころに登場するいろいな鳥たちの生き生きした姿にすっかり魅了されました。鳥が好きで自宅でたくさん飼っていたということで、鳥たちのちょっとした表情やしぐさの描写、羽の表現の細かさも半端なく、同じ鳥好きとして、大変楽しく鑑賞しました。伊藤若冲の鳥の絵も好きですが、作風は全然違っていて面白かったです。帰りのショップでは、鳥がモチーフになった可憐で美麗なグッズをいろいろ買い込みました。部屋に飾って楽しみます!!特に鳥好きの人に強くお勧めしたい展覧会でした。
5.0
田中一村のことをよく知らなかった私は、いくらか予習し展覧会へ出かけました。
第1章、2章と一村が観てきた景色と、描かずにいられなかった視点に心が共鳴し、配色に魅了され、第3章の奄美に辿り着いたころには、まるでサイレント映画で一村の生涯を観ているかのような感覚に満たされました。
美しさに圧倒される大作から、人間味あふれるスケッチまで、ずっと眺めていたいと感じる作品が数多くあり、もっと一村のことを深堀りしたくなりました。
出会えて本当によかったです。
4.0
田中一村の生涯をたどる展覧会。神童と言われた時代。たしかにこの年齢でこれを描いたの!?と驚かされるが、年齢を抜きにすると他の大家を彷彿とさせる絵であまり面白くない。神童と言われていただけに、時がたち他の人に追いつかれ追い越されることは屈辱だっただろう。一村自信の「秋晴」は私も傑作だと思ったが、入選しなかった。納得いかず他に入選作があったが辞退したらしい。また別の機会に出品した渾身の作品も入選せず、怒って燃やしてしまったらしい。こういうところがプライドが高く評価されなかった一因なのかもと思った。さて、もう嫌になった一村は当時日本の最南端だった奄美に引っ込んでしまう。でも絵筆を置くことはなく、極貧の中で描きたい絵を描きたいように描き晩年の傑作の数々を残して孤独に亡くなる。悟りの境地にでも至ったかのようだ。展覧会の最後を飾る晩年の作品はどれもすばらしい。画壇に認められず奄美に渡ったから一村特有の絵が生まれ、今の評価があり、我々もその作品を楽しませてもらっているのだと思う。存命中に名声や富を得ることはなかったが、手紙には好きな絵が描けてとても幸せだと書いている。それが本心で真実であることを祈る。
4.0
個人的には、今年の展覧会の中では指折りの注目展。それなりに予習もし、他の方のレビューも読んで臨んだ金曜日夜です。
年代順に3フロア、300点超の出展作品数。グッズショップの時間も入れると3時間近く。充実感いっぱいです。
最初は、幼少期からの田中米邨時代。画力抜群の作家で幼少期から別格という方は幾多いるが、まずもって米邨の神童ぶりは凄い。そして、10代半ばには早くもメキメキと腕を上げる。《白梅図》《藤図》《鉄網珊瑚(紅梅図)》、大きな画面一面を覆うような花・植物の描き出し方は若々しく、併せて自信や成熟感も醸す。山水画の一村とは趣が大きく異なる。色々描いているが、特に植物描写は若いうちから出色です。
伝記本などでは美術学校を辞めてからの20歳代は停滞期のようにも記されているが、全く空白に非ず。この頃の、鴈来紅(ハゲイトウ)や鶏頭(ケイトウ)の写実的作品には惹かれた。やはり、一村は植物の人だと思う。
千葉時代、千葉寺周辺の情景スケッチのような色紙作品。まとまった数での展示は、愛らしく端正で心に沁みる。もちろん、80cmX1m大の千葉寺の額装四季シリーズも吸い込まれるような情景描写だ。
千葉時代の代表作、二曲一隻の《白い花》《秋晴》が並ぶ一角は、本展前半のクライマックスエリア。暫し佇み、しあわせな気分に浸る。唯一の公募展入選作を仕上げるに当たり、アドバイスとともに絵具を贈られたと伝えられるが、なるほど、ヤマボウシの花弁・葉の顔料の厚塗りなこと、まるで実物のようだ。「秋晴」においては更に厚塗り、吊るされた小さな大根の輝度高い白がまばやく光り、実に美しい。
50歳手前にして九州・四国・紀州の旅で目にした情景を色紙に描き、人に贈った作が十数点、これは珠玉だ。奄美の一村記念美と千葉市美術館に集まった所蔵品だが、世の中にはまだ多数あるのだろう。
そして、50歳以降の奄美時代。クライマックスは最終展示室、10数点の背丈程ある晩年の大作・力作がマリンブルーの背景壁に凛々しく立ち並ぶ、この空間は鳥肌モノだ。
余白なく画面全体に広がる植物の描写はデザイン的・装飾的、他方、その隙間から見える遠景の描写はリアルに写実的で、面白い。
閻魔大王への手土産と自称した件の二作品《アダンの海辺》《不喰芋と蘇鉄》が出口ゲートの左右を占める演出、名残惜しくて立ち去り難き事この上ない。
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4.0
奄美時代の作品が素晴らしいことに異論はないけれど、デザイン的な要素が強いせいかモダンアートっぽく感じました。
私は古典的な日本画が好きなので、いままで見る機会のなかった千葉時代の作品のほうが楽しめました。画壇で認められるため、生活のために描いた作品のほうが題材にバリエーションがあり、かつ出来栄えにも波があって、奄美に隠遁するまでの遍歴が見て取れます。
「千葉寺」のシリーズは雑木林だけできっと千葉寺だと分かるんでしょう。「菊図」は品種改良したと思われる一輪仕立ての菊が並ぶ珍しい作品でした。
襖は中央の2枚が日に焼けて変色していたので、「一村先生の襖絵」ではなく、襖として普通に使われていたんでしょうね。正直なところ、人物と仏画はあまり…(笑)
生前は無名だったと言われていますが、幼少期の作品がこれほど残っているのは周りの人の協力があってのことでしょう。田中一村の伝記のような回顧展でした。
まったくの余談ですが、こちらを見た後に千葉市美術館の常設展「特集 田中一村と千葉」を見に行ったんです。美術館の近くの植え込みに蘇鉄があったんですが、実がなっていたんですよ!リアル「奄美の海に蘇鉄とアダン」の左半分!そもそも、絵を見てオレンジ色の部分は何なの?と思っていたんですが、その答えを千葉で見つけました。
5.0
田中一村の大回顧展、大充実の決定版でスゴイ!
早熟も早熟のガチ神童なんですね。ティーンで鉄斎バリの文人画を描いてしまうという達者ぶり。
20代前半には洗練さが増し増しになるという超早送り画業な人。
それからも高いアベレージを誇りながら、椿図や白い花などのヤバイ作品も生み出してしまう。
ただ処世術や立ち回りというのが上手に出来ない人で奄美に引っ込んじゃう。
そこでアダンの海辺という傑作を描くわけですがコレ図版で見てパキッとした色味だと思っていたのですが
実見してみると実に穏やかな色合いで柔らか優しい雰囲気のすごくイイ絵なんですね。
色紙の作品も良いし、個人的にはフロア1の最後の秋色が欲しいかなぁ。
作品数もかなり多くて都美こんなに広かったっけと思うほど。
質、量ともに大満足の展示でした。
金曜夜間開館を利用。
それなりに観客は入っていますが見づらいということはなかったです。
1作品に1~2人、人気作だと3~4人、アダンだと7~8人といったとこでしょうか。
時間経過とともに人が減って見やすくなるので夜間を選択したのは良かったです。
日曜美術館も予定されているようです。お早めにどうぞ。オススメします。
4.0
初期の作品は画面に収まりきらないダイナミックで力強く動きを感じた。最晩年の作品解説文で作者の描きたいものが描きたいように描けたとあった。作者が追究しつづけ到達した作品から、何を求めたのかを想像した。その一方で、解説文にあった「構成のくせ」とは何か。一連の作品を見るとうっすらと感じるものがあった。この点が興味深く感じた。
5.0
これは行かねばと初めて千葉美を訪れた2010年
再びの一村展 今年一番楽しみにしていた展覧会です
記憶に残っていたのは 奄美大島での作品でしたが
屛風 掛軸 襖絵 色紙 根付 傘 帯 木魚 絵皿
多岐にわたる作品群
薬草天井画(49面 全部見たかった)
色紙 ずしの花 が好みでした
平日開館時間9時半訪問 込み合う入口を飛ばして 空いている場所から鑑賞 会場を2巡しました
機会があれば もう一度行きたい展覧会でした
金曜日夜 思ったより混んでいました。
所用時間 2時間強と思ったほうがいいです。
写真 不可ですが、鑑賞後の撮影ポイントを作ってくれていますのでSNS投稿されたいかた用の準備も万端。
初日に行けず、金曜の夜なのでもうちょっと空い…readmore
5.0
近年大人気の一村展、平日に行きましたが大盛況でした。初期の南画作品も充実、晩年代表作も網羅しております。精緻に描かれた色紙が多数展示され、構図、色彩感覚が秀逸、必見です。千葉在住時代の風景画も良い感じですがやはり、奄美在住時代の作品が圧倒的に異彩を放ち素晴らしい!会場ひととおり観覧し、再び三章奄美の展示会場で長らく作品を堪能していました!
5.0
待ちに待った展覧会。天才的な画力を示す幼年期。誰をも魅了する奄美の時代。そして謎多き20代30代。
特に今回、謎の空白時代を埋める作品群が見られた事に感激する。
穏やかな農村風景や凛とした意思を感ずる花鳥図。仏画から山水画と精力的に活動しているではないか。
仏間を飾った天井画のや障壁画もかなりの見応え。
珍しい木彫や篆刻、写真なども有り充実した内容だ。
奄美時代の絵をもっともっと見たい。一番好きな「白花と赤翡翠」は岡田美術館蔵で展示が無く残念。
平日にも関わらず大勢が観覧していた。出口付近に撮影用の看板有り。
売店の絵葉書コーナーは隅っこでとても見にくい。図録は見易い。
5.0
田中一村記念美術館を訪れたのは、20年前。
奄美への旅行。時間潰しに覗きに行っただけだったのに。
衝撃でした。薄暗い展示室に異彩を放つ大作。
奄美の杜シリーズでした。
今回の大回顧展。どの作品がやってくるのか、とても楽しみでした。
再会に感謝です。
5.0
田中一村。始めから終わりまで、息を詰めて魅入ってしまった回顧展だった。
神童と呼ばれたのも納得な勢いある筆致から、おだやかな農村の暮らしや自然が描かれた時代を経て、南国奄美の地でさらに研鑽して透明感が増した世界は、たしかにこの人でなければ辿り着けなかった終焉の美だったと思う。
私が今暮らす栃木出身だったというのも知りご縁を感じた。奄美の記念美術館にもいつか行きたいが、地元の美術館でもまた再会できますように。
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東京都台東区で開催中の展覧会
「アダンの海辺」昭和44年(1969) 絹本着色 個人蔵
© 2023 Hiroshi Niiyama
田中一村 肖像 © 2023 Hiroshi Niiyama
「菊図」大正4年(1915)紙本墨画淡彩 個人蔵
©2024 Hiroshi Niiyama
「椿図屏風」昭和6年(1931)絹本金地着色 2曲1双 千葉市美術館蔵
©2024 Hiroshi Niiyama
「白い花」昭和22年(1947)紙本着色 2曲1隻 田中一村記念美術館蔵
© 2023 Hiroshi Niiyama
「秋晴」昭和23年(1948)9月 絹本金地着色 2曲1双 田中一村記念美術館蔵
©2024 Hiroshi Niiyama
「忍冬に尾長」昭和31年(1956)頃 絹本着色 個人蔵
©2024 Hiroshi Niiyama
「花と軍鶏」昭和28年(1953)頃 絹本着色 田中一村記念美術館蔵
©2024 Hiroshi Niiyama
「ずしの花」昭和30年(1955)絹本着色 田中一村記念美術館蔵
©2024 Hiroshi Niiyama