4.0
約1年半の休館を経て、待ちに待った再始動
三菱一号館さん、好きな美術館です。今回リニューアル再始動、楽しみにしていました。
今は亡き「不在」のロートレックと、今に「存在」するソフィ・カル。生涯に亘って「存在」する人物を描いたロートレックと、「不在」をテーマに作品をつくるソフィ・カル。というのだけれど、私は「哲学」は苦手です。カントも全然分かりません。この企画、色々考えさせられちょっと面白いテーマにも思えた割に、何か作品で対比されるわけではなく、正直、「ロートレック」「ソフィ・カル」と別々の展覧会のような感じでした。「ロートレック」はSOMPOの意外に好かった記憶がまだ新しい中、作品数も対象の掘り下げようも、いまいちに思えました。描かれたいくつかのアイテムから敢えて描かれていない何か・誰かを想像させるのは、絵画としてはかなり一般的なもので、ロートレックに特に目立つという訳ではありませんし。一方「ソフィ・カル」は全く知らなかったので(そもそも現代アート系のアーティストはほとんど知らない私でした)、かなり新鮮で幾つも刺さる作品‥がありました。理解出来たとは言えないものの、今後、ちょっと注意してみていきたいアーティストかなと、思いました。あと、おまけの小企画展「坂本繁二郎とフランス」は、坂本氏の描いた洋画と、坂本氏が影響を受けたであろうフランス画家 コローやミレーやセザンヌの作品が並び、それがまたまたなかなかに良かったので、3つの小企画展のように感じてしまいました。
照明空調などの見えないところのリニューアルに加え、壁の色も優しい白に近い色になっていたようです。あまり広くはない各部屋で、作品は引き立つ?? 私は三菱一号館さんはクラシカルなイメージで、前の方がちょっと好きだったかも。
二か月も過ぎてからの愚痴を言う様でごめんなさい。一般的には概ね評判良い展覧会です。平日昼過ぎ、混雑もさほどではなく、ゆっくり鑑賞出来ました。