『54号室の女船客』がお気に入り
三菱一号館美術館はシャネル展や印象派展以来の訪問だ。再開館して、とても嬉しい。
ロートレックの作品は当時のポスターや広告、雑誌の表紙に起用されていたこともあり、やはり目を引く作品が多かった。
意外と大きい作品も多く、それもあ…readmore
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本展は、19世紀末のパリで活躍したアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)の多彩な版画・ポスターの表現にフォーカスし、三菱一号館美術館のコレクションを中心にフランス国立図書館所蔵のロートレック作品と併せて展覧します。
また、フランスを代表する現代アーティストのソフィ・カル(1953- )が同館のコレクションの中からオディロン・ルドンの《グラン・ブーケ(大きな花束)》に着想を得て制作、同館に新たに寄贈された作品を世界初公開します。
◆ ソフィ・カル プロフィール
1953年、パリ生まれ。10代の終わりから7年もの間放浪生活を送り、26歳でパリに戻る。その頃より制作を始め、1980年より展覧会へ出品。以後、ロンドンのテート・ ギャラリー(1998年)やパリのポンピドゥーセンター(2003年)での個展の他、各国の主要美術館にて個展を開催。第52回ヴェネチアビエンナーレ(2007年)フランス館代表のアーティストに選出された。日本では、原美術館にて開催された「限局性激痛」展(1999年)や豊田市美術館(2003年)での個展開催の他、2019 年には渋谷スクランブル交差点の街頭ビジョンにて映像作品《海を見る》(2011年)が上映された。2023 年秋にはパリのピカソ美術館にて個展を開催。著書に『本当の話』(平凡社、1999年)がある。
会期 | 2024年11月23日(土・祝)~2025年1月26日(日) |
---|---|
会場 |
三菱一号館美術館
![]() |
住所 | 東京都千代田区丸の内2-6-2 |
時間 |
10:00~18:00
|
休館日 |
月曜日、12月31日、2025年1月1日 ※ただし、[トークフリーデー : 11月25日、12月30日]、2025年1月13日、1月20日は開館 |
観覧料 | 一般 2,300円 大学生 1,300円 高校生 1,000円 |
TEL | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
URL | https://mimt.jp/ |
三菱一号館美術館はシャネル展や印象派展以来の訪問だ。再開館して、とても嬉しい。
ロートレックの作品は当時のポスターや広告、雑誌の表紙に起用されていたこともあり、やはり目を引く作品が多かった。
意外と大きい作品も多く、それもあ…readmore
4.0
ロートレックの商業作品を、新たな視点で分類展示しているのは面白かった。
まぁ「それは無理があるだろ……」というのもあったけど、
挑戦的に企画をするという意味では、良いと思う。
それを抜いても良作をかなりの数を観られたのは嬉しい。
ソフィ・カル作品は提示されていない「不在」が心に浸みる。
盗まれた絵や覆い隠されたピカソ、布で隠された作品……
テキストを読むとそれが静かで深い部分に届いてくる。
例えそれが、誰かの感想の羅列でさえ、写真と共に作品として〈存在〉していた。
「グラン・ブーケ」の部屋も実に良かった。
現代作家がここでやるのが初めてだと、改めて知ったけど、もっとやっても良いと思う。
正直、もっとソフィ・カル作品をたくさん観たかった。
小企画「坂本繁二郎とフランス」、期待していなかったんだけど、ミレー、コロー、セザンヌ、モランディ等も並んでいて、おまけにしてはお得。
1月7日(火)2時過ぎ入館。混雑無し。ロートレック、ソフィ・カル共に一部撮影可。
余談:ソフィ・カル作品のポストカードが3点あったけど、写真のみでテキストが書かれていなかった。〈郵便ハガキ〉としての機能を果たせなくても、裏面にテキストをプリントして欲しかった。
4.0
ロートレックからのソフィ・カル。居たはずなのに、いない。喪失感とはちょっと違う感じなんですけど、胸に来るものがありました。
4.0
再開館を待ち望んでいた美術館の最初の展示
期待どおりロートレックが鑑賞できて幸せ。
ロートレックのサラサラっとした筆致が見事な
リトグラフの作品から、大胆な構図のポスター
さらには色だけで人物を表す(不在の)作品もあり
その多様な作品の幅が楽しめる。
特にポスターの色使いが、たまらない
黒の使い方、淡い色との対比での締め方方が秀逸すぎると
見入ってしまうほど
コラボレーション展示しているのが
現代アーティストのソフィ・カル
「不在」をテーマにしているアーティストのようで
現代との繋がりを展示会に反映させているとか
こういうようなコラボレーションで
現代美術にも触れられる機会は、難しいと思われがちなものには
なかなか貴重かもしれない
4.0
これまで見たことのないロートレックの作品がいくつかあり貴重な展覧会でした。
テーマの「不在」の意味が広い部屋に行き、よく分かりました。黒い手袋なのですね。
字のあるポスターと字のないポスター、背景の色が違うポスター、少し横を向いている姿と後ろから描いた姿、どちらがよりインパクトがあるのか、字の構図や字数など、とても興味を惹かれました。
4.0
ロートレック展&ソフィ・カル展、ふたつでひとつの構成です。
ロートレック展は略略当館の所蔵品、立派なコレクションです。再開館後の最初の展覧会に持ってきたのも納得です。代表作のポスターは色んな刷りがあるのでしょう。夏のSOMPO美術館でのフィロス・コレクションで観たものもありますが、本展の刷りも素晴らしいモノです。デフォルメを加えての動きや情感溢れる人物の表現、特に描線の巧みさは、何度見ても惹かれます。
今回の推しは本展の最終章、娼館の女性を描いた「彼女たち」シリーズ。優しさたっぷりのリアリティ、ドガっぽい。
カル氏の提案でロートレック作品の展示も存在・不在をテーマにストーリーが組まれているのですが、正直こじつけ感を抱いてしまい、個人的にはこのテーマに同調・共感して鑑賞するのはやや苦しかったか。
他方、ソフィ・カル展では、存在・不在のテーマが形を変えつつダイレクトに響いてきます。彼女の作品は初めてなのですが、生い立ち・境遇が重なり不在感への感度・感性は鋭敏。直截的だったり斜に構えたり、ディテールであったり俯瞰的であったり、と不在の表現アプローチが多彩で実に面白いです。
《なぜなら》刺繍でテキストが綴られた布をめくってから、布の後ろにある写真を見るという作品群。通常の視覚→知覚の順番が逆転し、なぞなぞをやっているような遊び感覚があり愉しい。
《海を見る》の映像インスタレーション、初めて海を見た貧しき老若男女6名のイスタンブール人の所作を淡々と。静にして雄弁。
当館コレクションの目玉、ルドン《グラン・ブーケ》の展示もあり、これは知りませんでした。2.5mx1.6mと巨大、パステル画なので展示日数に制限ある逸品。ソフィ・カル氏の本展に臨む動機も本作と重なるようで、迫力の展示でした。
本展のチラシは質感・デザインともに素敵。ポストカードの印刷は上質。こういうところも嬉しいですね。
出口を出る前に小企画展「坂本繁二郎とフランス」も鑑賞。坂本の他に藤島武二、コローなど15点の油絵を楽しめます。加えて、この小企画展には絵画写真と解説入りの小冊子が配布されていておまけ以上の価値あり。
当館建築の魅力も相俟って、隅々まで構想・配慮を感じさせる、力感豊かな展覧会でした。
三菱一号館美術館が長期改修を終えて再開館している。よく前を通るから開いていないのも不思議だったし、かと言って開いているのも不思議な感じがする。長く眠っていた人が今は目覚めているらしいというそういう認識である。ともあれ再びこ…readmore
5.0
会期初め頃に行きましたがチケット列に並ぶのみで館内はストレスなく鑑賞出来ました。
ロートレックのエリアとソフィ・カルのエリアは分かれており、ロートレックの隣に〜ということは無いです。
個人的にソフィ・カルの作品の中にある額縁だけ展示されているものをキュレーター?が感想を述べる作品の印象が強かったです。
他にも覆われているベールを自分の手で捲り鑑賞するものもあり
[不在]というテーマがよく伝わりました。
とても斬新で楽しい作品が多く行ってよかった!と思いました。
ロートレックの誕生日に行ったため出口付近にてステッカーを貰いました。
この配布は自分で好きなものを選べる形式でした。
次回は1.3日(金)夜間開館時に貰えます!!
また、半券希望を伝えたところチケット窓口で貰えました!
キービジュアルを組み合わせたとてもオシャレな感じです!
行かれる際には是非半券も入手してください!
4.0
ポスターを見ることは割と好きなので、楽しかったです。
ロートレックの作品ではないですが、布をペラッとめくって見る展示の仕方はあんまりないので、新しいなと思いました。
4.0
大好きな三菱一号館美術館、ようやく再開してその第一号の特別展が大好きなロートレックとソフィカル!!!と聞き早速足を運びました。
もともと工事前にソフィカルとコラボレーションをした展示を開催予定だったがコロナにより来日が叶わず4年越しに開催された念願の特別展だったとか。
ソフィカル自身のコメントにも「この美術館は生存しているアーティストを取り扱ったとがなく、ソフィカルが初めて。もしかしたらこの展示が開催されるときは自身も亡くなっているかもしれない。ようやく開催できると思いきやなんと4年も延期されることになり・・・」と残されており彼女らしいと思いつつも「確かに、生存しているアーティストを扱うのは初めてなんだ」との気づきも。
すでに「命」は地球上に「不在」となっているロートレックの作品上の人物たち。「生存」はしていないもののわたしたちの前で作品として「存在している」と向き合うのがまた新鮮。だから美術品は時を超えても惹きつけられる魅力があるのかなと考えられた時間でした。
大好きなソフィカルの作品、「海を見る」とは11年ぶりの再会。(2013年の原美術館以来)
芸術といろんな角度から向き合えるとても面白い企画展でした。
4.0
休館していた三菱一号館
再始動一発目はソフィ・カルとロートレックからだ!
ソフィ・カルのコメントを見て、改めて美術館という場所は
「描かれた対象も描いた人ももういない」ということに気づかされる
盗難にあった絵画の額のみを鑑賞する姿をうつした
「あなたには何が見えますか」や
布で覆い隠されそのものは見えない「監禁されたピカソ」
存在していたことを妄想させることで
観ることのできないそのものの不在を強く意識させる仕掛けが面白い
ロートレックは以前のSOMPO美術館での展示でかなり満足してたのだけど
今回の展示では「彼女たち」や「ロイ・フラー」の展示が良かった
まだまだ見たことない知らない作品が多いなあ
今回の展示、三菱一号館再開すぐだったので
凄く混んでるのではないかとドキドキしながら行ったのだけど
ほどほどに空いていて予想外にゆっくり見ることができてラッキーだった
みんな混雑きにして様子見してるのかもなあ
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ソフィ・カル氏ポートレート Sophie Calle Photography : Yves Géant