5.0
書画の連続性
若冲といえば、極彩色のニワトリのイメージだったが、冒頭に墨一色の絵画が展示されていて、それが滅法面白かった。
筆の「とめはね」の「とめ」で竹の節がリズムを持って表現されていたり、筆使いの強弱による墨の濃淡で大角豆(ささげ)のくびれが表現してあったりして、書と画の連続性を感じた。
また、1作品ごとに丁寧なキャプションがあり、見流そうとしたあとにキャプションを見てもう1回絵画を見直してみたりして、非常に鑑賞の参考になった。
美術館・展覧会情報サイト アートアジェンダ - 日本全国313の美術館・博物館と824の開催中&開催予定の展覧会をご紹介中!
2019年10月に開館した福田美術館は、今秋で開館5周年を迎えます。福田美術館は開館以来、江戸時代から現代までの魅力的な美術品の収集にも力を入れてきました。その中でもひときわ注目を集めているのが伊藤若冲(1716-1800)の《果蔬図巻》(かそずかん)です。この作品は長年ヨーロッパ在住の個人が所蔵していましたが、昨年日本へ里帰りし、福田コレクションの仲間入りを果たしました。
本展では、今から約240年前に 70代の若冲が描いた《果蔬図巻》を、彼が生まれ育った京都で、世界で初めて一般公開します。さらに今年5月に福田コレクションに加わったばかりの、若冲と大典が舟で京から大阪へ下る間に見た風景を版画で表現した巻物《乗興舟》も公開します。
また、2019年春、福田美術館が開館する直前に発見された若冲最初期の作品《蕪に双鶏図》をはじめとする初期から晩年までの優品およそ30点を一堂に展示するとともに、若冲が影響を受けた中国人画家・沈南蘋(しんなんぴん)やその弟子の熊斐(ゆうひ)、さらには、同時期に京・大阪で活躍した画家・円山応挙や曽我蕭白(そがしょうはく)にも焦点を当てます。
若冲愛好家はもちろん、美術に詳しくない方にとっても、若冲の魅力を存分に感じ取れる特別な機会です。
【FEATURE|インタビュー】
「若冲激レア展」で新発見の《果蔬図巻》が初公開。本作発見の意義と伊藤若冲の魅力を紐解く
福田美術館学芸課長・岡田秀之氏インタビュー
会期 |
2024年10月12日(土)~2025年1月19日(日)
|
---|---|
会場 |
福田美術館
![]() |
住所 | 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16 |
時間 | 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30) |
休館日 | 12月3日(火)、12月30日(月)~1月1日(水) |
観覧料 | 一般・大学生 1,500円(1,400円) 高校生 900円(800円) 小・中学生 500円(400円)
|
URL | https://fukuda-art-museum.jp/ |
5.0
若冲といえば、極彩色のニワトリのイメージだったが、冒頭に墨一色の絵画が展示されていて、それが滅法面白かった。
筆の「とめはね」の「とめ」で竹の節がリズムを持って表現されていたり、筆使いの強弱による墨の濃淡で大角豆(ささげ)のくびれが表現してあったりして、書と画の連続性を感じた。
また、1作品ごとに丁寧なキャプションがあり、見流そうとしたあとにキャプションを見てもう1回絵画を見直してみたりして、非常に鑑賞の参考になった。
5.0
果蔬図巻を目当てに観に行ったが他作品もとても良かった
特に乗興舟 欠落部分以外ほぼ全てを広げて展示してあり全編観たかった自分にとってめちゃくちゃ助かった 大典の漢詩を読み下し文と現代訳をキャプションパネルで確認できる点も良 舟下りの道のりの解説、現在の場所との比較、当時の文化などを交えつつ若冲と大典のイメージイラストまで描いてある豪華解説パネル 図録があったら収録して欲しかったレベル 製作者の若冲愛を感じた感謝
果蔬図巻の解説パネルも野菜の種類を一つ一つ書き記してあり分かりやすかった 野菜や果物を生き生きとリズミカルに描写された図巻とても良い好き
若冲の作品は勿論、同時代の円山応挙の作品も良いものが沢山あり非常に満足度が高い展示だった
4.0
果蔬図巻で唯一「不明」となっている1房の白い小さな実、私も福田美術館学芸課長の岡田秀之さんのおっしゃるとおり、ユリ根説を支持します。前情報なく、見た瞬間、これはゆり根だなと直感しました。
また、野菜や果物の描写はすべて正確で、空想の産物を描くはずはないとの事でしたが、干したカキが白く描かれていたので違和感を覚えました。干し柿の色のイメージが黒ずんだ柿色のイメージだったので、これが写実かと思ってしまいましたが、ネット検索すると、イメージ通りの色味の干し柿がある中で、白い粉を吹いた干し柿の写真が目に飛び込んできました。白い干し柿が存在し、干し柿の表面に付着している白い粉は、乾燥の過程で柿の糖分が染み出て結晶化した「果糖」との事。勉強になりました。
4.0
福田美術館は若冲作品を出し惜しみしないので、この先も見る機会はあるだろうなぁと思いつつ、世界初公開の絵巻「果蔬図巻」を見てきました。
写生とは言い難いテイスト、弾むような配置、多彩なラインアップ…、果物や野菜に目鼻と手足を付けたら「百鬼夜行絵巻」にそっくりじゃないですか!そんな想像をしたせいで、ニヤニヤしながら見ていました。
他の若冲作品では「鶏図押絵貼屏風」が素敵でした。尾が流線型だったり、鋭角に折れ曲がったり、鶏の動きを尾で表しているような感じでした。
うれしかったのは最近お気に入りの熊斐の作品が見られたこと!鶴亭、佚山、宋紫石など他ではあまり見られない画家の作品もあり、ラインアップ豊富な展覧会でした。
【後日談】京都から帰ってきて数日後、NHKで「ライジング若冲 ー 天才かく覚醒せり」を再放送してました。「蕪に双鶏図」から始まって「乗輿舟」を思わせる川下りの場面で終わるドラマをこの時期に放送したのは意図的か?と疑いつつ、NHKプラスで楽しみました(笑)
4.0
京都に旅行した際に観てきました。
ついでというより、今回の京都旅行の目的のひとつです。
やはり注目は、新たに発見された伊藤若冲の巻物《果蔬図巻》!!!
全長3メートル余りの大作。野菜と果物を丁寧に描いた巻物です。
青物問屋をやっていた若冲らしい題材です。
ひとつひとつ丁寧に細かく描かれ、淡い彩色がされています
クワイの水色なんか、すごいきれい!!!
細かく写実的に描いているものもあれば、結構デフォルメしているものまで。
構図は、野菜の形状も活かしつつ、リズミカルで流れるよう。
観ていると、朝ドラのモデルになった植物学者の牧野富太郎が描いた植物画を思い出しました。
恵みをもたらしてくれる野菜・果物への愛おしさや畏敬の念をどことなく感じる絵なんです。
この他に若冲の作品が約30点展示されていて、見応えがあります。
紅葉が美しい京都・嵐山に位置する福田美術館で開催された「「京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」展に行ってきました!(タイトルながっ)
今回の展覧会では、若冲の初期から晩年…readmore
あなたも感想・評価を投稿してみませんか?
感想・評価を投稿する
より詳しい鑑賞レポート 《600文字以上》のご投稿は、
こちらから。ページ枠でご紹介となります。
鑑賞レポート《600文字以上》を投稿する
周辺で開催中の展覧会も探してみて下さい。
京都府で開催中の展覧会
伊藤若冲《蕪に双鶏図》 (18世紀)福田美術館蔵
伊藤若冲《果蔬図巻》 (1790年以前)福田美術館蔵
伊藤若冲《果蔬図巻》(部分) (1790年以前)福田美術館蔵
伊藤若冲下絵・梅荘顕常 賛《乗興舟》(1767年)福田美術館蔵
伊藤若冲《鶏図押絵貼屏風》/右隻 (1797年) 福田美術館蔵 前期展示
伊藤若冲《鶏図押絵貼屏風》/左隻(1797年)福田美術館蔵 後期展示
伊藤若冲《托鉢図》(18世紀)福田美術館蔵
鶴亭浄光《蕃椒図》(18世紀)福田美術館蔵
佚山《群鶴図》(18世紀)福田美術館蔵