3.0
概要を知るにはよい構成
横須賀美術館は、公共交通機関で行くにはやや大変な場所にありますが、海を目の前にした素晴らしい立地と、地形を生かした建築に、レストランや東京湾を臨む屋上などがあり、訪れることを楽しめる美術館です。
今回はロイヤルコペンハーゲンとビング&グレンダールの展示を楽しみに見に行きましたが、かつて見た「アール・ヌーヴォーの装飾磁器展」や「塩川コレクション展」に比べると、見ごたえや体系的な網羅性はイマイチ物足りない印象でした。
どちらかというと、ジョージ・ジェンセンやロールストランド、スウェーデンのガラスなど、より幅広い視点で北欧工芸デザインを俯瞰する内容で、それはそれで興味深い点ではありました。
ただ、それを説明するならブランド別に分けるよりも、パネルで説明のあったパリ博覧会を軸にした北欧ブランドの趨勢とか、デザインの傾向やデザイナーの貢献など、歴史的背景を土台にした方が、展示品の価値や意味が伝わりやすかったのではないかと思いました。