4.0
コンテンポラリ、ここにあり
5人の現代アート作品(それも、コンテンポラリと自認するとおり、他にない独特の際だった作品だけを集めている印象の)を展示する、高松市美の毎年開催「看板」連続展覧会である。今年の展示は、これはアートなの、と思わずうなりたくなるようなものが散見され、回を追う毎にとがってきている市美のキュレーターの真骨頂ともいうところか。陶芸とは思えないあざみのような造形が並ぶ稲崎栄利子作品(アートアジェンダサイトでは、メインビジュアルに採用されている)では、2歳くらいの子供が怖いと泣き叫ぶ姿も。各作品がかもしだす異様さは、非日常を追及するアート大成功。階下に並行開催されているコレクション展「色彩との出会い」に展示されている李禹煥、草間彌生、大岩オスカール等の作家による作品が普通に見えてしまうくらいなインパクト。
作品で特に気になったのは、赤松音呂+大場裕一作品の「Eoxー1億年前の蛍の光」。遺伝子分析で1億年前の蛍からひかる物質の構造を分析して再現したというインスタレーションで、真っ暗な部屋のなかに、ほんとうにわずかな光がちらちら。現在の蛍の光はもっとはっきり明滅するし、再現したというならもっと光らせるのではないかと思えて、作品を観ながら、1億年前の再現というのが本当なのかフィクションなのかを考えたりした(再現が真実だったとしたらごめんなさい)。また、展示会場から出てすぐのところに、休憩用に椅子をおいてある通路のような箇所があるのだが、今回はそこも展示物が。紫やピンクのような怪しい色が光り、観葉植物やマネキンの細い白腕が並ぶ、これまた不思議な空間。コンテンポラリアートは、非日常をつきつめるということだろうか、また、ただ眺めるだけがアートではなく、その意味を考えさせるのがアートだとでも主張するのか、あれこれ考えさせられた。強いて言うと、今年は大きな展示室ならではという作品がなかったかな。しかし、高松市美のキュレーターは、本当に際立った人をみつけてくる。脱帽。
展示はこのようにほんとうに素晴らしいものだが、館の受付オペレーションは問題あり。入館料をクレジット払いができるのは助かるが、領収書が出せないという。そして現金なら手書きの領収書を出せるが住所が必要だという(個人情報の使用目的をきいても答えないから拒否したけど)。なら、質問レターを書くからと受… Read More