5.0
岡本太郎と夜
青山にある岡本太郎記念館は行ったことがありますが、川崎市岡本太郎美術館は初めての訪問です。
企画展として「第25回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」というのも開催していますが、常設展の「岡本太郎と夜―透明な渾沌」の感想です。岡本太郎というと《太陽の塔》など明るい昼間のイメージが強いのですが、「夜」との関連は意外と深いということで、「夜」というキーワードによって岡本作品を読み解くことで、その新たな一面を紹介するというのが展示の趣旨です。
≪夜≫というタイトルの作品がポイントになります。この作品を発表した翌年1948年に、評論家の花田清輝と岡本太郎が発起人となり、前衛芸術の研究会「夜の会」を結成したことなど、解説がされています。
夜を直接テーマにしていない作品でも、バックを黒にしたり、対象物を黒で引き立たせたりしている作品が結構ありました。≪太陽の塔≫の裏側にも、黒い太陽が描かれています。
岡本太郎に影響を与えたご両親について解説した常設展示もあり、勉強になりました。