この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
国際芸術センター青森 [ACAC] は、2021年12月に開館20周年を迎えました。ACACでは開館以来、数々の野外彫刻が制作・設置され、館の個性の一部となっています。また、青森市街地にも平和や慰霊のモニュメントをはじめ、公共空間の一部となり、ここにあった物事を記念する多数の碑や彫刻が存在します。観光地になっているものや、忘れられたように佇むものまで様々です。それらはすでに街の風景の一部となっているからか、誰がどのような思いで作り、そこに設置したのか意識される機会は多くありません。そして、彫刻が置かれたあとの社会の変化について考えることや、彫刻をめぐる議論が十分にあるとは言えません。
このような状況を背景に、ACACでは2021年度から複数年度にわたって「我々に与えられている」野外彫刻を起点に、多様な角度からそれらについて考え、現在の視点からアプローチしていくプロジェクトを行います。昨年(2020年度)は準備講座(表現のコモンズ vol.1)として、青森市内に点在する歴史にアプローチしている郷土史家、ACAC内の野外彫刻の設置にも立ち会ってきたアーティスト、作品制作や執筆・出版活動を通して彫刻に対する議論を展開する彫刻家であり批評家の3人によるトークを行いました。
2021年度は野外彫刻を歴史や社会から考えるために、小田原のどかが青森県内の野外彫刻を実際にリサーチしました。今回はその成果を個展として発表します。小田原は彫刻を作られた当時や、それを見る現在の社会を映し出すメディアとして捉え、作品とテキストによって批評的に扱い、日本の近現代史に潜む課題を浮き彫りにしてきました。青森では雪深い冬季に屋外の彫刻が見られなくなってしまうことにも着目しながら、大熊氏廣《雪中行軍記念像(歩兵第5連隊遭難記念碑)》や高村光太郎《乙女の像》、高村のアシスタントを務めた野辺地出身の小坂圭二をはじめとする青森ゆかりの彫刻家に着目しています。小田原によって、雄大な山の地形に抱かれた複数の彫刻・碑といった「ここにたつ」ものたちが紐解かれ重ね合わせられることで、私たちの生きるいまが過去から照らし出されることでしょう。
開催概要EVENT DETAILS
会期 | 2021年12月25日(土)~2022年2月13日(日) |
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会場 |
国際芸術センター青森
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住所 | 青森県青森市合子沢字山崎152-6 |
時間 | 10:00~17:00 |
休館日 |
不定休 年末年始 12月29日(水)~1月3日(月) および大学入学試験に関わる日程 1月14日(金)~16日(日)、 1月28日(金)~1月30日(日) |
観覧料 | 無料 |
TEL | 017-764-5200 |
URL | https://acac-aomori.jp/program/odawara/ |
国際芸術センター青森の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

八甲田山の大熊氏広《雪中行軍記念像(歩兵第五連隊遭難記念碑)》
撮影:小田原のどか

十和田湖畔の高村光太郎《乙女の像》
撮影:小田原のどか

メインビジュアル(デザイン:関川航平)