4.0
色褪せない和の心
6月の中旬を過ぎて梅雨の真っ只中でも(高台で)とても涼しい土地にあるこちらの美術館。
まだまだ紫陽花もこれから見頃を迎えるようで、まだまだ美しい花々を愛でる機会がある。
各展示室に続く重厚なドアがスマートに開き、静かな東洋の世界が待つ演出が絶妙。
前期:春夏編
日本美術にあまり詳しくない私でも耳にしたことのある、
よく知られた絵師たちによる植物、動物、人物を用いた作品たち。
季節の変化を、その時期ごとに楽しんできた静かな和の心に、こちらも心があらわれる。
The 伊藤若冲という印象の絵を鑑賞するのは今回が初めて。
『孔雀鳳凰図』(1755年ごろ)
大胆な画風かと思っていたのだが、
非常に緻密に色を置いていっているような描写の作品だった。
輪郭線がない、もしくは見えないほど、線上に色を置いている。
孔雀の羽の模様といったら!透け感まで再現されている。
北斎の名作とも再度ご対面でき『夏の朝』
琳派であることしか知らなかった鈴木其一のすっきりとした、潔い描き方『雨中芍薬図』が好きになり
速水御舟(名前もセンスよすぎ)の『木蓮(春園麗華)』の
白黒の美しさに目を奪われるという感じ。
昔のものだけれど、モダン。
そんなアートに触れられて感謝。