この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
時は19世紀後半、欧米では万国博覧会が各地で催され、異国への関心が高まりを見せていました。なかでも遠い島国日本への憧憬は、ジャポニスム(日本趣味)として、あらゆる芸術分野にひとかたならぬ影響をもたらしていました。その原動力のひとつとなったのが、明治政府の殖産興業政策の一環として生産され、万国博覧会などを通じて欧米各国に紹介された輸出陶磁器でした。
はじめは和の意匠や表現がもてはやされた輸出陶磁器は、やがて欧米の顧客のニーズや流行に合わせて、逆に外側からの刺激を受け豊かな展開を見せていくことになります。その流れを汲んで19世紀末に生まれたのが、オールドノリタケでした。
国内におけるオールドノリタケ蒐集の草分けである若林経子氏は、長らく歴史のなかに埋もれていたオールドノリタケの価値を見いだし、再評価の機運を盛り上げるべく尽力しました。多種多彩な意匠、技法、器種を網羅する若林コレクションを異なる角度から紐解く本展覧会では、国際化の時代にあって独自の表現を花開かせたオールドノリタケの多様性を存分に感じることができることでしょう。
オールドノリタケとは
名古屋を拠点とする株式会社ノリタケカンパニーリミテドのルーツ、森村組および日本陶器によって、明治中期から第二次世界大戦期にかけて制作・販売・輸出された陶磁器を指す。アメリカを中心とする海外に輸出されたが、ここ数十年前までは長らくその存在が忘れられていた。家庭にあった品々がオークションなどで市場に出始めると人々の眼に留まるようになり、1980年代初頭にはアメリカでコレクターの集まりが開かれるほどの人気を博すようになった。日本では90年代以降、若林経子氏ら収集家の展示・普及活動を背景に再評価の機運が高まった。
オールドノリタケの成り立ち
商家の出である森村市左衛門は、日本の資産が海外に流出することを懸念し、福沢諭吉の助言を得て輸出貿易を志し、 1876(明治9)年に弟の豊とともに東京・銀座に「森村組」を創業。その後豊は渡米し、友人たちとともにニューヨークに「日の出商会」を設立し、独立してのちの「モリムラブラザーズ」を立ち上げ、日本の森村組が雑貨を輸出し、アメリカのモリムラブラザーズがその商品を現地で販売する、といった仕組みを作り上げた。国内の生産効率を高めるため、1904(明治37)年には現在のノリタケカンパニーリミテド本社が位置する場所(名古屋市西区則武新町 に 一環生産工場を作り、「日本陶器」(現 株式会社ノリタケカンパニーリミテド)が創立された。のちに、この則武という地名が「ノリタケ」ブランドの由来となる。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2021年9月18日(土)~2021年10月17日(日)
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会場 | 石川県立美術館 Google Map |
住所 | 石川県金沢市出羽町2-1 |
時間 |
9:30~18:00
(最終入場時間 17:30)
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休館日 |
会期中無休 |
観覧料 | 一般 1,000円(800円) 高校・大学生 800円(600円) 小中学生 500円(300円)
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TEL | 076-233-4642(平日10:00~17:00) |
URL | https://www.hokuchu-event.com/pickup/old-noritake/ |
石川県立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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