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流石、楽しい切り口で浮世絵の魅力を発信し続ける老舗浮世絵美術館
信じるという視点から、「流行神」「迷信」「噂話」という時事性の強い3つのテーマに沿った作品が並びます。総展示数55点、内個人蔵11点、作者不詳作品5点!コアな浮世絵ファンでも初見作品ばかりかと、しかも、面白すぎる作品多数。寺社参詣等を描いた広重の作品、庶民の歳事記を活写した国貞(三代豊国)の3枚続等完成度の高い作品も展示されております。個人的にイチオシ、国芳9作品、三代豊国の十二月之内2点、三代国輝の本所七不思議之内2点。
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江戸時代には、さまざまな民間信仰が庶民に親しまれました。浅草寺のような大寺院から町中の稲荷社まで、多数の寺社で毎月のように行われた縁日や、出開帳のようなイベントは数多くの人々で賑わいました。また庶民の関心は江戸市中にとどまらず、近場では江ノ島の弁財天や大山石尊社、遠方では富士山から伊勢神宮まで、人々は信仰のみならず行楽も兼ねて江戸の外へと繰り出したのです。
流行り廃りが激しいのも江戸庶民の信仰の特徴で、例えば嘉永2年(1849)には於竹如来を始めとする3つの神仏が一過性の大ブームとなります。当時の最新の世相を描いた浮世絵は、こうした流行を現代のSNSのように人々に伝え、拡散する役割を果たしました。他にも鯰が地震を起こすという迷信に基づいた「鯰絵」や、人魚が現れたというちょっと怪しいニュースを描いた作品まで、「信じる」をキーワードにさまざまな浮世絵を紹介します。
浮世絵でバズる!流行りの神仏
移ろいやすい江戸庶民の信仰を象徴する例として、流行神という現象があります。一過性のブームとして人気になる神仏のことを言い、特に嘉永2年に回向院で出開帳が行われた於竹如来は大きな人気を呼びました。同時期には内藤新宿正受院の奪衣婆、日本橋の翁稲荷も人気となり、多くの参詣者が集まるなど、3つの流行神が江戸を賑わせます。当時、歌川国芳をはじめとする絵師たちがこれらの流行神をこぞって描いており、浮世絵がこの流行をさらに拡散させる役割を果たしたのです。
大地震・流行病-迷信も笑いに変える
江戸の人々の生活の中では、さまざまな迷信が信じられており、そして迷信と浮世絵との関わりも深いものでした。例えば安政2年(1855)に起きた安政の大地震後には、鯰が地震の原因であるという迷信に基づいた、ユーモアたっぷりの鯰絵が数多く描かれて大人気となります。また疱瘡や麻疹、コレラなどが流行した際には、病気にまつわる迷信を題材にした戯画風の作品なども出版されました。
人魚が現れた!怪しいニュースも浮世絵に
江戸では、時にちょっと怪しいニュースや、本当か嘘かわからないような噂が話題となり、しばしば浮世絵の題材ともなりました。例えば作者不詳「海出人之図」は、越後国で海中から出現したという、人魚のような不思議な女性を描いた作品。女性は「これから伝染病が流行るが、自分の姿を絵に描いて家内に貼ると難を逃れる」と予言して消えたと言います。他にも本所(現在の隅田区あたり)で知られた奇妙な噂話を集めたシリーズ「本所七不思議之内」などを紹介。
| 会期 | 2022年2月4日(金)~2022年2月27日(日) |
|---|---|
| 会場 |
太田記念美術館
|
| 住所 | 東京都渋谷区神宮前1-10-10 |
| 時間 | 10:30~17:30 (最終入場時間 17:00) |
| 休館日 |
月曜日 2月7、14、21日 |
| 観覧料 | 一般 800円 大高生 600円 中学生以下 無料
|
| TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
| URL | http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/ |
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信じるという視点から、「流行神」「迷信」「噂話」という時事性の強い3つのテーマに沿った作品が並びます。総展示数55点、内個人蔵11点、作者不詳作品5点!コアな浮世絵ファンでも初見作品ばかりかと、しかも、面白すぎる作品多数。寺社参詣等を描いた広重の作品、庶民の歳事記を活写した国貞(三代豊国)の3枚続等完成度の高い作品も展示されております。個人的にイチオシ、国芳9作品、三代豊国の十二月之内2点、三代国輝の本所七不思議之内2点。
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