この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
古来より人は人の姿を描き、あるいは彫像のかたちで表現してきました。王侯貴族が自らの権勢を誇示したり、高名な人物の業績を称揚したり、家族の絆を記念したり、あるいは「お見合い写真」や「遺影」として用いたり、その制作動機は実に様々ですが、多くは現代に生きる我々にとっても容易に共感できるものではないでしょうか。
むしろ、スマートフォンの普及により誰もが手軽に写真で人物像を記録・交換・発表することができるいまは、歴史上もっとも肖像が身近な時代であると言えるかもしれません。
肖像が実用の道具という域を超えた「表現」作品であることの真髄は、それが外見的特徴の再現に留まらず、モデルの人格や精神性といった内面的なものを発露させ、あるいはモデルが「こうありたい」「こう見られたい」と願う姿や、作家自身がモデルに対して抱く「思い」が投影されていることにあります。
優れた肖像作家は、この「再現」と「表現」の絶妙なバランスをとりつつ、ときに卓越した洞察力をもってモデル自身ですら気づかなかったその本質を抉り出します。単なる容貌の記録から、その人物の精神性、ひいては「人間とはなにか」という普遍的なテーマにまで昇華されているからこそ、見ず知らずの人物であるにもかかわらず、肖像作品はあらゆる時代・地域の人々の心をとらえて魅了するのでしょう。
本展示では、こうした肖像作品の奥深い魅力をお伝えすることを目的に、姫路市立美術館の所蔵作品のなかから多様な表現・内容の優品を洋の東西を問わず紹介します。
開催概要EVENT DETAILS
会期 |
2020年10月29日(木)~2020年12月24日(木)
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会場 |
姫路市立美術館
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展示室 | 姫路市立美術館 コレクションギャラリー |
住所 | 兵庫県姫路市本町68-25 |
時間 |
10:00~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日、11月24日(火) ※11月23日は開館 |
観覧料 | 無料 |
TEL | 079-222-2288 |
URL | https://www.city.himeji.lg.jp/art/ |
姫路市立美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES

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和田三造《 片岡直輝肖像 》 油彩・布 1917年(大正6年) 姫路市立美術館 蔵

白瀧幾之助《 老母像(2) 》 油彩・布 1934年頃(昭和9年頃) 姫路市立美術館 蔵

青山熊治《 I氏の像(裏に「風景」) 》 油彩・板 1913年(大正2年) 姫路市立美術館 蔵

ジェームズ・アンソール《 死せる父 》 ドライポイント・紙 1888年(明治21年) 姫路市立美術館 蔵

レオン・スピリアールト《 自画像 》 鉛筆、墨、黒チョーク、グワッシュ・紙 1907年(明治40年) 姫路市立美術館 蔵