4.0
明治以降の版画
明治以降の版画史を、当館と福島県立美術館のコレクションを中心に構成した企画展。
特に当館はかつて和歌山版画ビエンナーレ展を開催していたこともあり、版画のコレクションに力を入れている。
近代の版画を歴史的に系統立てて見直す機会はあまりないと思うので、大変興味深く感じた。
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版画は、わが国の美術の歴史を語る上で欠かせないものであり、海外から見た日本の美術を特色づける重要な表現です。浮世絵は西欧の近代美術を多彩にし、また戦後の版画家たちの国際的な活躍は、海外で日本の現代美術が認められるきっかけを作りました。
しかしながら国内においては、江戸時代までの浮世絵から脱して、近代以降、美術表現としての立場を獲得するまでには、長い時間がかかったと言わざるを得ません。例えば1964年の東京オリンピックに際して、国立近代美術館(現在の東京国立近代美術館)で開催された芸術展示「近代日本の名作」展では、自国の美術の歴史を語る文脈において、版画には十分に光が当てられませんでした。
その後、1970年代から80年代にかけて、日本各地に公立の美術館が次々に設置され、各館は地域の風土とそこで生み出される表現に向き合いながら、現在まで研究・収集活動を続けてきました。
その営みは、中央から見える「日本」の姿と同じではないかもしれません。しかしそこに確かに積み重ねられてきた表現の数々を、美術の歴史として捉え直し、提示することが、地方美術館の仕事のひとつであるとも考えます。特に版画という分野においては、近代から現代までをひとつの流れとして見つめ直す課題が残されています。
本展覧会は、戦後75年、また21世紀に入って20年を経た2020年という節目の年に、地方都市にあるふたつの県立美術館である福島県立美術館と和歌山県立近代美術館のコレクションを中心に、この版画という文脈において、地方から見えるもうひとつの近現代日本美術史を編み直そうとする試みです。また、和歌山県立近代美術館にとっては開館50周年を記念した展覧会です。
会期 |
2020年9月19日(土)~2020年11月23日(月・祝)
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会場 |
和歌山県立近代美術館
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展示室 | 和歌山県立近代美術館 2 階展示室 |
住所 | 和歌山県和歌山市吹上1-4-14 |
時間 |
9:30~17:00
(最終入場時間 16:30)
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休館日 |
月曜日 9月23日 ※ただし、9月21日、11月23日は開館 |
観覧料 | 一般 800円(640円) 大学生 500円(400円)
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TEL | 073-436-8690 |
URL | https://www.momaw.jp/ |
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明治以降の版画史を、当館と福島県立美術館のコレクションを中心に構成した企画展。
特に当館はかつて和歌山版画ビエンナーレ展を開催していたこともあり、版画のコレクションに力を入れている。
近代の版画を歴史的に系統立てて見直す機会はあまりないと思うので、大変興味深く感じた。
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